[2.8]World基本設定
例えばLookDevモードの表示でMetalic=1.0でテカテカな見た目のオブジェクトを、いざEeveeのレンダープレビュー(Rendered)で見てみると映り込むものがなくて残念な感じになる事があります。
LookDevはプリセットの背景を持っているのに対してレンダープレビューは背景が設定されていないからですね(2.81からは違う)。背景画像が欲しい。
(以下の例はEevee、Cycle共に可能なもの)
IBLとかエクイレクタングラーとかあまり考えずに「映り込むものとしての背景にHDRI画像を使う」っていうことで読み込む手段を。
[Lookdev(2.81からは"Material Preview")]
[Rendered]
[Rendered with background image]
前準備:HDRI画像を用意する
Blender 2.80 のLookDevで設定できる背景はいくつかありますが、この背景を使う事が多いと思います。
同じものがHDRIHaven.comにありますのでそれをダウンロードしてきます。
ダウンロードできるファイルのサイズがいくつかありますが、今回は「感じ」を掴みたいので 1k のものを選びます。(ダウンロードしたファイルは"ninomaru_teien_1k.hdr"という名前)
ちなみに、Lookdevモードの環境背景画像はBlenderのプログラムがインストールされたフォルダ配下に格納されています。macOS だとここ。同フォルダにある license.txt にも目を通しておきましょう。
/Applications/Blender.app/Contents/Resources/2.80/datafiles/studiolights/world
背景にHDRI画像を設定する(シンプルな方法)
デフォルトで設定されているのは単一のカラーです(Color)。
Color の項目の右端に[○]をクリックするとメニューが表示されるので"Texture>Environment Texture"を選択します。
選択したら、表示が変わっていることに気づくと思います。今回の場合には(フォルダーマークが先頭に付いている)Open をクリックして、先ほどダウンロードした"ninomaru_teien_1k.hdr"をテクスチャ画像として設定します。
テクスチャ画像が設定されていないと背景がピンク色に。
背景画像の設定が終わったら(数秒待つかもしれません)、背景付きで表示されます。
なお、背景が照明として機能するのでStrengthの値を変化させるとオブジェクトの明るさも変化します。
[Strength=1.0]
[Strength=0.2]
[Strength=3.0]
Eeveeのレンダープレビュー(Rendered)だと、ビューポートの背景を表示しないようにすることはできないようなので、とりあえずここまで。
と思ったんですけどそういえば Is Camera Ray で背景画像を一つの色で飛ばすことできましたわ、ということでノード。画像の名前違うけど気にしない。
ちなみに以下でもだいたい同じことができますが、上の方が画像を環境光として使う場合に強度を個別に調整できるので、はい。
([F12]でレンダリングする、という場合に背景を透過させるときはプロパティエディタ>Renderタブ の Film パネルの Alpha を"Transparent"に変更。
注意点
HDRI画像はファイルサイズも大きく、これを使ったことによるメモリの圧迫やレンダリング時間の増加、という影響は考慮しましょう。
例えば室内のシーンで背景となる画像が見える部分がごく一部であればHDRI画像を背景として設定するよりも見える部分にはその部分のみ別途画像を使用する、という方法も。以下のチュートリアルはCyclesですが、背景について「HDRI画像を使わないケース」に言及されていますので貼っておきますね。
また、ビューポート上では透視投影でないと背景は表示されず、背景の一点を取り出した色になります。
背景が真っ白に?
背景画像を読み込んだら、背景とオブジェクトが真っ白に。Environment Texture ノードではなくImage Texture ノードを選択してませんか?
ノード?
シェーダーエディター上で追加する時は [Shift]+[A]>Texture>Environment Texture ですよ
おまけ:Cycles
Eeveeでは(まだ?)使えないようなんですが、CyclesだとSky Textureを使えます。
と長々ここまでやってきましたが、HDRIについてはFlippedNormalsによるビデオがまとまっているのでそっち見られた方が良い気がします。
おまけ2:えくいれくたんぐらー?
「エクイレクタングラーって何のこと?」って言う人はメルカトル図法の地図を思い浮かべてください。背景に使うHDRI画像はこの形式でマッピングされていることが多いです。
おまけ3: Lookdevモードの背景画像の元ネタ
[2.81から]プリセットのHDRI背景がレンダービューでも利用可能に
右から2番目のボタンが LookDev から Material Preview になりました。そのMaterial Preview で使えたHDRI背景を Rendered でも使えるようになりました。Eevee、Cyclesの両方に対応しています。2.81から。
Scene Lights と Scene World のチェックを外します。
すると例の球体が出てきます。ここから背景を変更可能です。
レンダリング背景ではないので注意が必要ですね。
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