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[2.8]ショベルカーのうで

ふらつく・倒れる缶のリグマジックハンドをつくる でボーンやコンストレイントなどを使っています。

さて今回の題材は「ショベルカーのうで」。部品点数が増えるので格段に面倒くさくなります。ちなみに「ショベルカー」は和製英語なんですってね。

Blenderでこういうのも作れますよ、という一例として以下お楽しみください。

部品

部品はこんな感じです。これに後の工程で2つArmatureを追加します。

回転軸になるところについては8角形で十字が入っているようにしています。回転中心が十字の交差した頂点と重なるようにしています。

メッシュを作成

上の図を参考にメッシュを適当に作ります。長さとかその辺結構クリティカルなのですが、何回か試行錯誤してみるのも良い機会です。いろんなパターンを作ってみてください。

作例では各オブジェクトのメッシュが重ならないように、マテリアル色でオブジェクト原点からのオフセットを設けています。

・ 青: 0.00
・ 緑: 0.01
・ オレンジ: 0.02
・ 白: 0.03
・ 黄色: 0.04

オブジェクトを組む

はい、サクッと組んでいきましょう。こんな形になります。流石に手順のいちいちを説明していると文字数がえらいことになりそうなので幾つかポイント的なヤツのみ書いておきますね。

オブジェクトモードで頂点スナップ

きちんと仕組みを理解してメッシュモデルを作成されたのであれば、軸となる部分に頂点がきちんと配置されていて、オブジェクト原点も回転の中心となるよう配置されていると思います。

オブジェクトモードで頂点スナップを使うときにオブジェクト原点を頂点にスナップさせるときには Target を Center に指定します。

オブジェクトモードでスナップ時に目安となるものが無いので、ってなる時にはワイヤーフレーム表示にチェック入れると良いかもしれませんね。

3Dカーソルでスナップ

だいたい頂点スナップで事足りると思いますが、3Dカーソルを使った移動の方法もあります。こちらも場合に合わせてお使いください。

1. スナップ先の頂点をエディットモードで選択
2. [Shift]+[S] > Cursor to Active をクリックして3Dカーソルを移動
3. オブジェクトモードでスナップしたいオブジェクトを選択して[Shift]+[S] > Selectrion to Cursor

油圧シリンダーのアームへの取り付け

油圧シリンダーは「アームに連動する装飾」として取り付けます。実際の世界とは違いますね。ターゲットとなるEmptyと2本の棒です(3組)。黄色い方を outercyl 、白い方を innercyl とします。

関節の先にあるアームにEmptyを配置(アームを親として関連付け)し、outercylがターゲットとして向くようにTrack toコンストレイントを仕込みます。

innercyl は empty の位置と outercyl の回転をコピーします。

アーマチュアの追加とボーンへの関連付け

動かすメインのアーマチュア(shovelarm)とバケットを動かす台形リンクのアーマチュア(bucketarm)に分けて考えます。

まずはshovelarmから。実際の機械では油圧シリンダの伸縮でアームが軸を中心に動きますが、ボーンはその回転のみに注目します。

ボーンを入れたところはこうなります。

ここでボーンと部品を関連付ける訳ですが、キャラクターアニメーションで使われるメッシュに対するArmature変形ではなく、メッシュオブジェクトを直接ボーンに関連付けます。

オブジェクトモードでオブジェクト→Armatureの順に選択し、ポーズモードで対象のボーンを選択、[Ctrl]+[P] > Bone で関連付けします。

bucketarm を取り付けるところはバケットと台形リンクのバー(オレンジ色のヤツ)。

動かす点が shovelarm の先端と一致するので、ここにEmptyを配置して、それをターゲットとしてIK設定します。を取り付けるところはバケットと台形リンクのバー(オレンジ色のヤツ)。

他気をつける箇所

上で言及してはいないですが、親子関係の関連付け([P])、クリア([Alt]+[P])時にはコンストレイントを無効にしておくことと、編集モードでのボーンの編集でボーンがねじれないように操作ビューはフロントビュー、トップビューに限定する方が無難、とかありますけど文字数、っていうことで。

さらに発展させると

台形リンクの仕組みが使えるようになるとBlender上で「ストランドビースト」作れそうな気がします。確か誰か作ってたような気もするので自分では作らないですけど。

See Also:

油圧シリンダについてはこちらにチュートリアルがありますね。この記事とやっていることが違って、アームと油圧シリンダのコントロールを一つのArmatureに収めつつ循環参照を回避するっていうものです。


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