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くらもちふさこ「いつもポケットにショパン」/松田奈緒子「重版出来!」

いよいよ12月、今年も最終月になってしまいました。
月が替わったら、前月の読書メーターまとめから読んだ本を振り返るのが、毎月のルーティーン。

11月の読書メーター

今回は、くらもちふさこ先生の「いつもポケットにショパン」について。
くらもちふさこ先生の作品をなぜ急に読み始めたかというと、
とある方と好きな漫画についてお話していて、その方がこの作品を挙げてくれたので、初読みしてみました。
全5巻のうち1巻までを電子版で読んだところ。

タイトルからおわかりの通り、クラシックピアノを弾く子たちのお話。
天才肌の季晋ちゃんと、伸び悩んでいる麻子ちゃん(でもポテンシャルは高そう)は、小学生時代は仲良く同じ教室にレッスンに通っていたが、季晋ちゃんはやがて海外に行ってしまい、別れ別れに。
高校生になり、音楽学校で再開を果たすが、季晋ちゃんはかつての親しみやすい雰囲気とは違っていた…
という、ありがちな感じのプロローグ(^ ^)

1980年の作品です。ネットもメールも無い時代。
海外に行ってしまったりすると、連絡をとりあうのも難しい。
たとえ同じ日本で同じ学校に通っていてもケータイ無いし、簡単には会えないし、会えない時間、相手が何をしてるのか、自分のことをどう思ってるのか、想像、妄想、
ああ、昭和は良かったなぁ。
今の恋愛少女漫画にそういうのが無いわけじゃないけど、ベースの美学がまず違う感じ。
恋する乙女像が、今と昔では異なる。
ピアノの演奏シーンは、コマ割り、聴衆のリアクションや表情で、心奪われる演奏を読者に想像させる。
今ではよく見る手法だが、この頃すでに確立されていたとは。
全5巻ならこのまま電子版で読もうかな。スマホは文字が小さくて辛いけど(´×-×`)

それと、何年にも渡って読んできた松田奈緒子先生の「重版出来!」が完結しました。
出版社の漫画雑誌編集部に就職した黒沢心を中心に、編集担当のお仕事、雑誌や単行本の発行の流れ、漫画家さんの仕事ぶりなど、自分も一応は業界に携わる者として、毎回楽しみに読ませていただきました。
印刷会社や書店さんとの関係も興味深かったし、アニメ化、ネット配信、海外向けなど、トレンドネタや様々な課題もタイムリーに盛り込んでくれてた。
個性的で変わり者が多い漫画家さんたちをうまくマネジメントしなければならない編集担当さんは、なかなか大変なお仕事です。

続々と次世代の漫画家さんが現れ、これまでにない斬新な作品が世に生み出されていく。ヒット作はアニメ化され、実写化され、コラボ商品が売れ、話題になってまた漫画が売れる。
実際のところ、漫画の市場規模は年々拡大している。伸びているのは電子版のほうですけどね。
苦しいこの業界の中でも、漫画は確かに活気を感じます。

#漫画 #いつもポケットにショパン #重版出来#読書メーター

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