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なぜ にげない〜DVを聞いた貴女へ〜

DVに遭った人ならば分かるであろう。
勇気を出して誰かに相談すると
この言葉が返ってくる。

「なぜ、逃げないの?」

そう思うのは無理もない。
生命の方が大事!逃げなさい!と。

それは正論すぎる正論だから。

でもね、それが出来ないくらい
DVという支配下に置かれた人間の心は
既に囲われてしまってる。

子供のため、自身の無力ゆえ、
この先の生活の不安、動けないくらいの鬱

いろんな理由が足を停める。

言い訳ではない。本当にそうなんだよ。
既に正常な判断も物差しも壊されちゃってる。
「出来ないことをしなければいけない」パワーがもう残ってない。

漆黒のジェルの中をもがいてるような毎日。
もし自身への暴力を相談されてしまったら
そこから彼女を引き摺り出そうと考えずに


先ずは一緒にジェルに入って
小さな灯りをともして
お互いの顔が仄々と見えるところで
一緒にいるよ、ひとりじゃないよと
置いていかないよ、と


寄り添って下さい。

なぜ逃げないの、と聞く優しさは
ひとりじゃないよと手を繋ぐ優しさに変えて
どうか力を与えてあげて下さい。

やがて、自分で砂を祓い
自分の足で立ち上がる底力に変わります。
目が覚めたにんげんの底力は
どんな岩も砕けるくらいに 大きいから。

もしも悩んでいる貴女がこれを読むなら
必ず、その痛みは貴女を強くしています。
そして底力に変わります。
その壊れた心は、
次の誰かを癒す優しさを生み出します。
何もできない、しない自分を責めないで。
今の頑張ってる自分を褒めて誇りに思って。

世界はまわってる。
わたしにも あなたにも
しあわせをつかめるように まわっていく。