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結婚報告に感じる孤独

“結婚”

それは孤独から最も無縁なものに感じる。

先日、姉から結婚するとの報告を受けた。
「おめでとう!!」
お祝いの言葉が自然と出る。
電話越しに伝わる声から、姉の頬にできる笑窪が容易に想像ついた。

電話を切り、送られてきた写真を見てまたひとりで「おめでとう。」
そう呟く。

薬指にティファニーの婚約指輪をつけ、
嬉しそうな表情を浮かべる姉は、ベタな表現だけど指輪より輝いて映る。

幸せな気持ちをいっぱいに抱えて眠りについた。

その夜、姉の夢を見た。
一緒の布団にくるまって寝る夢。
布団の中できゃっきゃ笑ったり、ひそひそ話したり、そういう夜が当たり前だった頃がある。
大人になったんだなぁ、ひとりで目を覚まし、そう感じた。

そして寂しくなる。

姉との思い出なんて、溢れるほどあるはずなのに、
幼い頃の記憶で思い出せることは段々と減っていって、
新しい思い出にはお互いが居ないことが増えていく。
そんなの寂しいよなぁ。
家族なのに、血が繋がっているのに、幼い時を1番近くで過ごしたのに。

急激な寂しさに襲われる。

こんな気持ちになったと打ち明ければ、
優しい姉は、
「そんなの私も寂しい。」
そう言って私を抱きしめ、涙を流すだろう。

そんなことあってはならない。絶対にだ。

この寂しさに気づいたとき、
幸せな姉に、幸せになってほしい姉に、
この寂しさは不釣り合いだと思った。

大切な姉が結婚するという喜ばしい報告に
自分勝手に寂しくなる。

この寂しさをいちばん理解してほしいのは姉なのに。
姉にだけは、この寂しさに気づいてほしくない。

姉というひとりの人間との間に孤独を感じた瞬間。

姉の人生はこれまでより、これからの方が長い。
そのこれからを共にし、最も長い時間を過ごすであろう旦那さんに嫉妬する。

この世の誰よりも幸せにしろよな!!

と、これまた自分勝手な願いをここに綴ったところで今日はここまでにすることにした。

お付き合い頂き、誠にありがとうございました。

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