見出し画像

抜釘手術〜5日

背中、腰、骨盤の抜釘手術から5日、バルーン留置ベッド上生活を送っている。傷口の痛みが酷く座位を保てないので一日のほとんどを横になって過ごす。食事の際はベッドの角度を付けてなんとか自分で済ませる。暇という感覚は無くて、ただ苦痛、苦痛だけが占めている。術後1日目から離床の許可はおりていたし、傷口の汚染も無いと聞いていたから、てっきりすぐに自立を取り戻せるものだと思っていた。初回のリハビリでベッドのふちに腰掛けようとした時、切り付けられるような激しい痛みに襲われて驚いた。一般的に3〜5日程度は痛みが続く、との説明を受け、あと数日、明日こそ、と祈るような気持ちで眠りにつくのだが、待っているのは変わらぬ痛みとかなしみだけだった。その5日も今日で終わってしまい、目処が無くなる事の恐怖を覚える。とても耐えられない。ずっとこのままだったらどうしよう。痛みそのものよりも、被介護状態で生活を続けることに途方もない恐ろしさを感じる。排泄を管理される恥辱に再び直面する。髪や体、顔さえ勿論洗えない。低い視界から人を見上げてばかり居ると、なんだか自分は酷く矮小で無力な存在であるような気がしてくる。電気をつけてください、カーテンを開けてください、水を汲んでください。ありがとう、と何回言ったかもう知れない。注射の針が怖かったけど、怖いなんて言ってられないので痛みと一緒に噛み殺す。飛び降りた時は自分のせいだから仕方ない、呆然とそう受け入れていたけれど、今回は、どう折り合いを付けたら良いかまだ分からない。飛び降りの現実ですこれが。苦しいのは一度で終わりじゃなかったよ。誰にもこんな思いして欲しくない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?