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胸郭からみる姿勢・動作・運動療法|肩関節の理学療法

オーバーヘッドスポーツにおいて肩関節は障害予防、パフォーマンスに大きく影響する関節となります。
肩関節を機能させ、強化していく上で胸郭の評価だけでなく、重心移動の観点から上下の質量中心を含めて考える必要があります。

しかし、肩関節の理学療法はその改善に難渋することから苦手意識が多い印象を受けます。

✔︎可動域が十分に改善しない
✔︎痛みが改善しない
✔︎インナーマッスルのトレーニングで効果を感じない

以上のことは多くの方が経験することではないでしょうか。

肩関節の理学療法で重要になるポイントは、求心位の獲得になります。
肩関節の構造を理解し、関節がいわゆる噛み合うことで可動域が改善し筋機能の改善が図れます。

また上半身質量中心がある胸郭の評価・トレーニングは、重心移動の観点から移動能力向上に向けて重要となります。

私自身も同様の経験をしてきた上で、高齢者の肩関節周囲炎からプロ野球選手の肩のコンディショニング を経験し、その中で有効であると感じたことをまとめていきます。




1.肩の解剖・構造

肩関節(肩甲上腕関節)は球関節という構造上、不安定な構造をしているが故に自由度が高い関節になります。
上腕骨頭に対し関節窩の大きさは1/3程度であり、構造的な不安定性を関節唇・関節包・靭帯・筋などの軟部組織の制御が重要となる関節になります。

腰のコピー.001

以上のことから肩関節は運動中、求心位を保ったまま動くことが重要な関節になります。
そのため、肩関節の機能改善は上腕骨頭異常運動の改善から始めていきます。



2.可動域制限と上腕骨頭異常可動性

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