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まいにちの短歌

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#短歌

半年点検|短歌

古着屋でさへも迷子になるわれを怒るいつでも多分本気で 枕木に手が届くほど簡単なアンダーパ…

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桜並木|短歌

自動車道の桜並木を過ぐときに四十七本まで数へたり * 今日は詠みたいことがたくさんあった…

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カレーライス|短歌

何度めの鬼平だとか言ひながら昼のカレーをむずむずと待つ 二日目のカレーは甘い夫の皿にガラ…

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にじいろカルテ|短歌

絶対に悪化はさせぬとふ思ひうちにもありて虹滲みゆく * 「にじいろカルテ」。もう終わっち…

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母|短歌

車道より桜並木を過ぐのみを花見花見と喜んでをり 勘違ひするたび平易に言ひ換ふる美容師と母…

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いつかのアパート|短歌

風呂上りすぐにタバコに火をつける濡れ髪嗅げばいつかのアパート 夫婦とふ感覚薄き汝と我のシ…

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歯医者|短歌

歯医者へとけふも行きたり四ヶ月経てどいまだに終はらぬ治療 ユニットの上に足先冷えてゆくそのまま二時間ほどを過ごしぬ 開けてください噛んでくださいくまさんが言ひたり次にりすも言ひたり しかけ絵本の最後のページを閉づやうに歯医者のドアを出る正午過ぎ * 初めは外れた銀歯をつけに行っただけなのですが。 歯周病で引っかかり、虫歯で引っかかりして4ヶ月も通っています。 歯みがき指導もしていただきました~。 ちゃんと磨けるようになっているはず。 あと数回で終わりそうです。

チャルメラ|短歌

チャルメラに飽きたか夫は六食分見えないらしく他の麺買ふ チャルメラをひとりの昼に食べてを…

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風|短歌

春嵐にゆれる欅のてつぺんにゐる照明のあかるき部屋で カーテンを閉め切つたまま風の音と隣の…

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あれ|短歌

午前中を歌の時間としてそれを春の眠りに費やしてをり なめたけはなめこではないとふことを覚…

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春|短歌

もう春だSNSの友だちが死んで夏秋冬をめぐりぬ 冷蔵庫に料理の作り置きのある気持ちの余裕…

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辛夷|短歌

人生で初めて生理が止まるほどストレスを受く医師より受くる 明日死んでしまふと仮定して今日…

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恐れ|短歌

飛行機の窓より見ゆるきらめきのざわめいてゐるあなたの街は 地方より詮なきことであるけれど…

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クッキー日和|短歌

不要品を夢にてもらひ現実に胸のもやもやとして持ち来る 傷つけず言語化をする難しさ母の車のなかの生ごみ ラッピング求めて隣町へゆく今日はクッキー日和 快速 スーパーのコストコセールの商品を乗せてゴトゴトコンクリ舗装 * 結局150枚以上焼いた