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Kバレエ「ラ・バヤデール」感想

K BALLET TOKYOの「ラ・バヤデール」大阪公演を観に行ってきました!
もう数日経ってしまいましたが、とても楽しかったので、この興奮を忘れないうちに感想を書きたいと思います☺︎

今回の会場はフェニーチェ堺。
去年の東京バレエ団の「眠れる森の美女」もフェニーチェ堺で行われていましたね。
初めて行きましたが4階席まである綺麗なホールでした。
今回全席完売だったみたいですね!

私は2階席正面から観ました。

ここから感想を書いていきますが、ネタバレを含みますので、構わないという方だけ読み進めてくださいね!

1幕1場 寺院の前

幕が開くと大きな銅像が4体描かれた舞台装置。
Kバレエの舞台装置はいつも豪華ですが、今回も幕が開いた瞬間に舞台装置だけで世界に引き込んでくれました。

ニキヤの岩井優花さんは、蝶々夫人のリハーサル映像を観た時に柔らかい踊りが素敵だなと思っていて、「眠れる森の美女」のリラの精も素晴らしかったので、次は主役で観たいと思っていました。
地方公演は回数が限られていてキャストが選べないことも多いので、今回の大阪公演で優花さんのニキヤを観ることができて念願叶い嬉しかったです♪
ニキヤの登場場面はベールをかぶっているので足元に注目してしまいますが、足先だけでもなめらかで美しくて、ベールを取った後の神秘的な雰囲気は巫女のニキヤにぴったりだなと思いました。
その神秘的なニキヤがソロルと会った途端に表情が輝きだして、恋してるということが一目瞭然で、めちゃめちゃ可愛かったです!

対するソロルは堀内將平さん。
まじめそうなソロルで、この時点ではニキヤを裏切ることなんて想像できません。
とても好青年。
ドゥグマンタが娘の婿に選ぶのもわかるようなソロルです。
その堀内ソロルが聖なる火の前でニキヤに愛を誓い、優花ニキヤは喜びます。
そりゃそうですよね、2人きりとは言え教会や神社で愛を誓うようなものですもんね。
ニキヤは嬉しいし、喜びますよね。

2人の逢瀬を見てしまったハイ・ブラーミンが怒り1場は終了です。

1幕2場 ドゥグマンタの宮殿

2場はドゥグマンタの宮殿。
ガムザッティの成田紗弥さんは登場した瞬間から華やかなお姫様でした。
美しくて高貴で、これはソロルが見惚れてしまっても納得できるなと思いましたw
紫の衣装が本当にお似合いでした。
ドゥグマンタからソロルとの縁談を伝えられた時もソロルの肖像画を見て嬉しそうに承諾していて、この時は強そうキツそうといった印象はまったくなくて、まさに大切に育てられて何不自由なく暮らしてきたお姫様という感じでしたね。

一方堀内ソロルは、ドゥグマンタからガムザッティとの結婚を伝えられた時は、断る気満々でした。
そして勢いよく断りに行ったのに、ガムザッティの美しさに思いっきり見惚れていました!!
そのままガムザッティをエスコートして隣にカッコよく座ってましたよw
スマートに会話とかしてそうな感じでしたねw
1場での堀内ソロルを見てドゥグマンタに断れない系かな〜と思っていましたが、自ら行っちゃう系でしたか。。

2場ではハイ・ブラーミンとドゥグマンタの力関係も密かに注目しているのですが、ドゥグマンタの挨拶に対してハイ・ブラーミンは挨拶を返していませんでしたね。
やっぱりハイ・ブラーミンの方が立場が上だからかぁ〜なんて思って観ていました。
ハイ・ブラーミンはビャンバ・バットボルトさんだったんですが、あまり悪そうな人には見えなくて、ニキヤを愛しすぎて愛に溺れてしまった人なんだなと思いました。
もちろん善人でもないんですけどね。
「ラ・バヤデール」は「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」のような善悪の戦いではなくて、人間ドラマなんだなと再認識しました。

続いてドゥグマンタとハイ・ブラーミンの話を聞いてしまったガムザッティが登場します。
すべてを持っているお姫様ですが、ソロルとニキヤの関係を知って初めての戸惑いですね。
紗弥ガムザッティは高貴だけど優しそうな雰囲気もあって、ニキヤへの接し方を見ても根は優しいお姫様なんだなと思っていたら、ソロルの肖像画を見せつける時の豹変ぶりに驚きましたw
優しいけど根は強かったです!
紗弥ガムザッティにナイフを向ける優花ニキヤですが、激情したとかガムザッティに対して怒って手が出たというわけではなくて、訳もわからずナイフを持っていたというような感じがしました。
私は2階から観ているので(オペラグラスを使っていましたが)、もっと近くで表情も観ることができた方には違うように観えていたりするのでしょうか。
みなさんがどう感じたのかもぜひお聞きしたいです☺︎

ナイフを振り上げたニキヤが何てことをしてしまったのかと怯えて去っていき、ガムザッティがニキヤに怒り1幕2場は終わります。
ここで1幕が終了になることが多いですが、Kバレエ版は全2幕構成なのでまだ続きます。

1幕3場 婚約式

1幕3場はソロルとガムザッティの婚約式です。
華やかな音楽と共にソロルが悠々と象に乗って登場して、満更でもなさそうな様子で驚きですw
ここで団扇の踊りと太鼓の踊りが踊られますが、太鼓の踊りはエネルギッシュで人気ですよね。
プリンシパルの石橋奨也さんが踊られていて、拍手も大きかったです。

そしてグラン・パ・ド・ドゥに続きます。
堀内ソロルと紗弥ガムザッティは安定の踊りで、紗弥ガムザッティのVaもコーダのフェッテもバッチリでしたね!
ソロルはここでも満更でもない様子で、まだ全然ニキヤのこと考えてなさそうだけど、いつニキヤを思い出して苦悩するんだろうと思いながら観ていました。
アダジオの途中で少し思い出してましたけど、結局ニキヤが登場するまでたぶんニキヤのこと考えてませんでしたよねw

ニキヤの花籠のVaでは、ニキヤはずっとソロルに訴えながら踊っていますが、ソロルはニキヤ(ガムザッティ?)の方を向いていて私の席からは表情が見えなくて、どんな表情をしているのか非常に気になりました。
そしてガムザッティはずっとソロルに笑顔を向けていて、私がその場にいたら恐ろしくてたぶん誰の顔も直視できないですね。。

ニキヤのVaの途中でドゥグマンタがアイヤに何やら耳打ちしていました。
あぁ花籠はドゥグマンタが仕掛けるんだと思っていたら、ドゥグマンタが花籠をソロルに渡し、花籠はソロルからニキヤへ渡されます。
たしかに、それならソロルからの贈りものでニキヤが喜ぶというのがわかりやすいですね。
喜ぶニキヤを見てこちらの胸が痛くなります。。
このVaの優花ニキヤのポワントワークが素晴らしかったのですが、ソロルとガムザッティも気になるし、こそこそ花籠を手配しているドゥグマンタも気になるしで目が足りませんでした!

毒蛇に噛まれたニキヤを前にソロルがどうするのかと思ったら、ニキヤの目の前でガムザッティが差し出した手を取って去っていくというひどい男でした!
どうしようと迷っている様子はありましたが、自らガムザッティを選びましたね。
本当ひどい男でした!

話が逸れますが、ニキヤが毒蛇に噛まれた時に、大抵のバージョンでマグダヴェヤや毒蛇を捕まえて退場しますよね。
あれ、いつも思いますが危ないですよね?
どこのバージョンだったか覚えていないんですが、マグダヴェヤが毒蛇を掴む前に踏んづけて、それから掴んでいたのを見たことがあって、普通そうだよねと思うんですw
マグダヴェヤの皆さん、毒蛇気をつけてくださいね?危ないですよw

2幕 影の王国

2幕は寺院の中から始まります。
ニキヤが死んでしまい後悔したソロルが寺院に来たのでしょうね。
ここでソロルがやっと後悔しましたねw
奥に神像がありますが、この神像がここで少し動く演出があり、寺院崩壊の前の予兆のようでした。

アヘンを吸ったソロルが、ニキヤを追いかけて影の王国へと続いていく舞台の転換の仕方も工夫されていてよかったです。

影の王国は本当に美しくて素敵で、息をするのもはばかられるような静かな空気の中、ただただ観入っていました。
2階から観ていたのでコール・ド・バレエの後ろの方のダンサーまでよく観えて、全員が同時に呼吸するように揃ったポール・ド・ブラが印象に残っています。
腕につけたベールがダンサーが動く度にふわふわ揺れて、本当に幻想的でした。
アラベスクの登場で先頭だったおそらく梅木那央さんが、バレエチャンネルのリハーサル映像の時から動きがなめらかで綺麗だなぁと思っていましたが、やっぱり素敵でした。
昨年の「くるみ割り人形」でクララを踊られていましたよね?
これから注目していたいと思います☺︎
コール・ド・バレエは登場場面だけでなくコーダも揃っていて綺麗でした。

影の王国では優花ニキヤも素晴らしかったです!
優花さんってまるで無重力のように立ったり着地したりするなと思っていて、その無重力感が影の王国の場面でさらに活きていたと思います。
幻想的なコール・ド・バレエの後に、ニキヤとソロルのパ・ド・ドゥもふわ〜と夢の中のような動きが続き、影の王国は観ていて本当に夢の世界へ誘われたようでした。
堀内さんがバレエチャンネルのインタビューの中で「音楽を使って身体表現をする余白っていうのがすごく大事」「影のひとつ目のパ・ド・ドゥはそういう余白が残されたパ・ド・ドゥ」とおっしゃっていて、まさにそれを体感させていただきました。
影の王国、本当に素敵でした。。ずっと観ていたかった。。

影の王国の後、舞台は再び寺院の中です。
ドゥグマンタやガムザッティも集まりソロルを起こしますが、ソロルの目が覚めず脈がないことに気づきます。
ガムザッティが駆け寄ると、なんと蛇がガムザッティに噛みついてガムザッティは死んでしまいます。
衝撃の展開ですよね!?
今回詳しいあらすじを見ずに鑑賞したので、この展開には驚きました。
ほら!毒蛇踏みつけなかったからだよ!
と思ったんですが、後からプログラムを読むと、あの蛇はニキヤの化身なんだそうです。
そしてソロルが死んでいたのは蛇に噛まれたからではなく、影の王国でニキヤに愛を誓い、ニキヤに導かれて黄泉の国へ向かったのだそうです。

ここで主要人物たちがみんな死んでしまって、この後どうなるのかと思ったら、やはり寺院は崩壊します。
そして寺院崩壊の後でブロンズ・アイドルが登場します。
ブロンズ・アイドルがいつ登場するのかと思ったら、最後の最後でした!
しかも暗い舞台の中でスポットライトを浴びて踊るんですよ。
ブロンズ・アイドルって、身体を塗ると舞台袖の待機場所とかにも制限がある中で準備をしなきゃいけないようですが、テクニックの優れたダンサーが踊るということで観客の期待値も高いし、ましてや熊川さんのブロンズ・アイドルは有名なのでKバレエのダンサーにとってはプレッシャーのかかる役だと思いますし、さらに暗い舞台では視点も定まりにくいし、スポットライトは目が眩んでしまうし、かなり難易度高くなってますよね。。
ブロンズ・アイドルは吉田周平さんでしたが、何も問題なんてないかのように踊られていました。
このブロンズ・アイドルはもともと婚約式のディヴェルティスマンで踊られるために作られた踊りで、音楽だけ聴くと寺院が崩壊した悲劇的な場面で踊られるような曲ではないと思うのですが、ここまで舞台を観てこの場面で観るとこの明るい曲調が逆に悲しく感じられました。
Kバレエのプログラムによるとブロンズ・アイドルは「地上を浄化している」のだそうです。
うーん、なるほど。

ただ1つ気になったのが、Kバレエの舞台装置に描かれている神像はヒンドゥー教の神像だと思って見ていたんですが、ブロンズ・アイドルはブッダの魂らしくて、そこは宗教ごちゃまぜでいいんですか…?
私は歴史や宗教に詳しいわけではないので、詳しく方がいたら教えていただきたいです。

ブロンズ・アイドルの踊りも終わると、ニキヤとソロルが天上世界に向かい幕が降ります。
優花ニキヤは最後とても嬉しそうににこやかで、ソロルを許すのか…それでいいのか…と思いましたが、ニキヤが幸せそうだったのでいいのでしょうw

最後に…

全幕を振り返ってみましたが、全2幕でスピーディーにすすんでいくので、あっという間に終わってしまったという感覚でした。
最初から最後まで夢中で観ていました!
でもやっぱり影の王国が1番印象に残っています。
本当に素晴らしかったです。
周りからも良かった、楽しかったという声が聞こえていましたね。

カーテンコールでは熊川さんも出てこられて、客席大歓喜でした☺︎

とても楽しい舞台だったので、他のキャストや少し前にあった新国立劇場の「ラ・バヤデール」も観たかったですねー。
Kバレエだと私は次は日髙世菜さんと小林美奈さんの主演も観てみたいと思っています。
美奈さんは「マーメイド」で主演されますよね!大阪公演でも美奈さんの回があるのですっっごく観たいのですが、平日なので行けるかな、どうかなというところで悩んでいます。。
観に行けることになったらまた感想にお付き合いいただけると嬉しいです♪

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました♡

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