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ピアノレッスンとパイづくり

ピアノレッスン、続けている。
ピアノは習い始めて一年。コードをゼロから。
まだまだ弾けないため、知識も本読んだだけでは入って来ず、先生に弾いてもらって雰囲気を味わう。
こないだはディミニッシュコードについて知りたくて教えてもらった。
何の代理として使えるか、それはなぜそうなのか、
などなど。オーソドックスな使い方も。
ディミニッシュ。
すてきな響き。短3度の積み重ね。この分割感。重なり感。バランス感。ちょっと美味しそう。。
すてきな雰囲気だから、使いこなせたらいいなー。
と、先生に言ったら、
「まあ、部品の一つだよね」 
だって。

なんか、パイづくりみたい


そう、ちょうど、パイを作っていたのだ。

この日はえびのパイ。
トータルではリッチな味わいにしたいけれど、
重すぎるともたれそうなのでところどころ何かを省いて工夫をしたつもり。
マッシュポテトは生クリームではなく豆乳で。
アメリケーヌソースは、コンソメはいれず、完全に野菜とえびの殻のだしだけで長時間煮込む。
キッシュみたいに卵液は使わなかった。
えび、チーズ、マッシュポテト、アメリケーヌソースが交互に層になっている。
ベースのパイ生地はサクサクかつちょっと口溶けのよいホロホロ感。
焼き上がりにはブルーチーズを好みでトッピングする。

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結果、とても満足のいくバランスに。


知識と技術って欲しいもののために必要

パイ、タルトは基本的に組み立てだ。
生地は何種類もあるけど、中身のバランスを考えて材料を選ぶ。
フランスの基本の練りパイ生地、パートブリゼの作り方は、昔、習いに行って、一時よく練習もした。
だから配合率もだいたい知ってるし、作り方そのものもほぼ見ない。レシピ自体はそこまで当てにしない。

わたしの場合、パイ生地、に関しては、レシピに書いていようがなかろうが、粉とバターは必ずキンキンに冷やし、サブラージュという作業を行う。

他の作業は適当だったり偶然の産物を楽しめたとしても、パイ生地のこの作業だけは丁寧に行う。

なぜなら、サクサク感が欲しいからだ。
(サクサク感のないパイなど、そもそもパイなのか。)

サクサク感の決めてがサブラージュ。
粉とバターをサラサラの砂のような状態にすること。
(決して練ってはならない!)
サブラージュという技術ができれば、小麦粉は薄力粉だろうが強力粉だろうが米粉だろうがサクサク感を出せる。クッキーやスコーン、その他の粉もの菓子にも使える。
いやいや、ほんとにサクサク感がほしいなら、
フィユタージュでしょ、というつっこみもあるかもしれないけれど。
(※サブラージュは練りパイ生地で使われる方法。フィユタージュは折りパイ。さらに手間と技術が必要。)

なんか、パイについてばかり語ってしまったけど、
サブラージュを何度も練習したことを思い出したのだ。。

ミュージシャンもいろいろ考えて音楽をつくっているのだろうな

材料を足したり引いたり、代替したり、トッピングしたり…
技術を使ったり、技術を技術ぽくみせない技術を使ったり…
ジャズミュージシャンは曲とキーだけで、譜面を見ないで演奏する人も多いけど、
一緒に演奏しながら、一体、なぜそんなことができるのだろう、といつも思っていた。

つまり、もう、材料も配合バランスも使える技術も知りつくしているから、レシピをいちいち見ないでも、
もっとも美味しくなる感じを、一瞬で組み立てることに集中できるということか。

より美味しいものを生み出すために。
作りたての美味しさを味わってもらうために。

なんだか、そう思ったので、
「音楽て、パイづくりみたいですね」
と、ピアノの先生に言ったら、
「そうそう、同じ感じだと思うよ」
だって。

音楽もパイづくりも
まずは基礎、土台がしっかりしてれば
何をつめ込んでも美味しい気がするな。

さてさて、パイはいい加減おいといて、
ディミニッシュの復習と宿題をしなければ。

ディミニッシュスケールを弾いてみる。
半音、全音、半音、全音、半音…

スケールて、パイづくりでいうと、何なのかな。
ソースとかクリームかな。。
流動的でつながりやコクが生まれる感じがさ。

なんて、どうしても結びつけて考えてしまった日。









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