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鈴木昭汰がエースになる日

なんというか。
これほどまでに悔しいというか・・・。
悶々とする開幕カードを過ごすのも久しぶりな気もしている今日この頃です。

2021年シーズン開幕3連敗からのスタートとなりました。
しかも2試合連続で終盤までリードしてからの敗戦というのがなかなか堪える展開で打ちひしがれているわけですが、何も希望がなかったか?というとそうではないのでが収穫。

それはドラ1ルーキー・鈴木昭汰のプロ初先発&フレッシュな投げっぷり。
初回から140km/h台の後半のストレート連発で気合十分。
昨日までの劣勢や嫌なムードを振り払うには十分なマウンド捌き。

そして、一発をくらって結果的には2失点としたものの、プロ初登板初先発で5イニング2失点であれば十分合格点で立派なもん見せてもらいましたわ。

鈴木昭汰の何が良かったかというと左投手独特の右打者の懐に対角線に入ってくるストレートいわゆる”クロスファイア”が本当に最高。

【クロスファイアとは?】
”野球におけるクロスファイアとは、一般的に左ピッチャーが右バッターの内角に対角線上に投げ込むボールのことをいいます。もしくは、ピッチャーが利き腕と対角線上に投げ込むことをいいます。球種としては、ストレートということになります。”
<参考URL>
【野球】クロスファイアとはどういう意味?どういう効果が生まれるのか?

特に今宮から三振を奪ったこのクロスファイアは”The クロスファイア”ともいうべきで球速やその球の強さや軌道は、もはや18.44mの塁間というキャンバスで描かれたアート作品と言っても良いくらい。

しかも凄く細かい点で言うと、投げ終わった後に体勢が三塁側に倒れてないところが素晴らしい。

通常、これだけの大舞台でしかも万力で腕振って勝負している時、その勢いを受け止めきれずに、投げ終わりに体が踏み込む側(左投手であれば右足)にバランスを崩してしまいがち。
こうなると壁を作れてない分だけ球に十分体重が乗り切らず「球速は出ているけれども、当たれば飛んでいく球」になりやすい。

この映像を見る限り投げ終わりも三塁側方向に体が流れることなく、その場で左足を着地していることから、投球モーションで生み出したパワーが十分球に乗っかり球速と球質ともに威力のある強い球が放たれている。仮に今宮がバットに当ててたとしても相当な確率で凡打にしかならなかっただろう。

そして球速だけに目が行きがちだが、流石は楽天・早川と競合したドラ1宜しく、ストレートだけでなく変化球やその投球術も一級品であることを証明した。(今日の早川もかなりエグかったけど・・・)

それがグラシアルに投じた切れ味抜群で緩急差もついたスライダー

前述したとおり140km/h後半を計測するストレートがビシバシ決まってくるから当然打者としてはその球の対応に追われる。
しかしながらそれに気を取られているとウィニンングショットで”抜いた”スライダーが投げ込まれてくる。

鈴木昭汰のスライダーはいわゆる高速スライダーの部類に入るので変化量こそ多くはないものの、そのピッチトンネルはストレートと同じような軌道を通過していると思われ【ストレートが決まれば決まるほど、このスライダーの効果が増していく】というシナジーが生まれる。

開幕3連敗でしかも昨日今日と守護神でチームリーダー・益田直也が撃ち込まれ敗戦というチームとしてははっきりいってこれ以上ない悪い船出となった2021シーズン。

逆を言えば、これ以上悪いスタートはない。

あとは上がっていくだけ。これまで数々の辛酸を舐め尽くしてきた千葉ロッテだからこそ鈴木昭汰の今日のピッチングはより光り輝いて見えたしこの先のシーズンに明るい道筋を照らしてくれたと思っている。

チームとしても定性的には悔しさ、もしかしたら情けなさの残る内容だったが王者ソフトバンクを今季もこれだけ苦しめられているなら期待は持てる

あとは若い芽が息吹き始めている打線に期待したい。

”鈴木昭汰がエースになる日”が来るのも待ち遠しくなってきた。

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