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自ら折れる花はない

休みもなく過ぎたGW、出版関係に詳しい大先輩Sさんとご飯にいった。Sさんと自分は性別こそ違えど似ている。いつものように出版関係の話に花を咲かせようとするもののだいたいどうでもいいことにふたりともが過剰反応し、時間切れというのがいつものパターンだ。

花を咲かせるといえば、地元の富山県はチューリップで有名だ。チューリップの花言葉といえば「博愛」「思いやり」「名声」「恋の宣言」などらしいが、色や模様によっても異なるらしい。いずれにしろ共通しているのが「愛」。

母の日は何を上げるの?とSさん。思えば、物心ついたときから母の日には必ず何かあげていた。初めての母の日はおそらく小学2年生。ちかくのスーパーに隣接する花屋さんに歩いていった。そのころは花の名前などなにも知らず幼いころにチューリップ公園へ行ったことがあったからチューリップを一本買った。たった何百円のおこずかいで初めて買った花を握りしめて帰った。はい、と母に渡すと、茎がポッキリ折れていた。にもかかわらず母は嬉しそうに花瓶にいけてくれた。枯れてしまうまでだ。

思えば、花は枯れてしまうことはあれど、自ら折れてしまうことはない。今日、大好きな雑誌編集部に働かせてくれないか、と電話をした。答えはNO。どうしていいかわからないくらいのショックを受けた。考えれば断られて当然なのだけれど。

そのことを相談するとつぎつぎ、勢いに乗るのも大事よ、とSさん。やっぱり僕は折れない。明日もなりふりかまわず電話しよう。

自ら折れる花はないのだから。

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