水難事故現場からは以上です。
今日、水難事故から少年を助けました。
なんとなーくモヤモヤしている気持ちを吐き出すために、珍しく文字を書いてから寝ます。
漫画の世界のヒーローを夢見ちゃいかん
ちょっと恥ずかしい話。
小さい時ドラゴンボールZの"セル戦"を読んだ後、激闘の末に渾身のかめはめ派でセルを消滅させた姿を見て、私もかめはめ波の練習をしたことがありますw
勿論本気でかめはめ波を出そうとしていたので、我が家を壊さないようベランダから空に向かって力を振り絞っていたんですが、出たのは小さな屁くらい。
時は流れて、今やヒーローが山ほど出現しましたね。
ワンピースにNARUTO、鬼滅に呪術廻戦…挙げればキリがないほどに。
誰しもが一度はそんなヒーローに憧れてグッズを買ってみたり、真似事をしたことがあるのではないでしょうか。
でも、漫画の中に夢見たヒーローにはなれやしないんだ・・・
だってフィクションだから。
空を飛ぼうとしてもせいぜい1mだし、常軌を逸したスピードを出そうとしてもウサイン・ボルトよりもカバの方が早い。
漫画とCGのおかげでスーパーヒーローは成り立っているわけなんですね。
なんとも夢のない話。
だから僕にとってのヒーローはジャッキー・チェンなわけです。
僕という勘違い
小さな屁しか出せない私は所詮はただの一般的人類。
ですが、この世は私を好奇心のカタマリに作り上げてしまったんですよ。
ギリギリ東京育ちですが西のはずれで野山を駆け巡っていた私は、親の努力が実って小中高一貫の進学校に入ったものの、周りが大学へ進学するのを横目にまさかの就職。
しかも自衛隊。
親より先生と同級生が驚いていましたw
(皆んながイメージするガチ自衛官(陸自のレンジャー?)じゃなくて、海上自衛隊の航空学生っていうパイロットの訓練生だったんですけどね。)
で、自衛隊に入った後の体力測定で「運動能力1級」「水泳能力1級」という二つを取ったんですよ。
2つの能力で1級を取ると「金バッジ」って呼ばれる徽章を制服に付けるワケなんですね。
僕らガチ自衛官部隊じゃないからソレがまぁ目立つわけです。
結果として「すげぇ運動できるヤツ」ってイメージが定着して、それが段々と僕の中で屈折していって、退隊する頃は"何でもできる"っていう大きな勘違いをするようになりました(笑)
原体験は「自衛隊」と「事業失敗」
話はうんと変わって、僕の仕事は事業プロデュース/ディレクションです。
30歳前後の頃はイケイケの若手として、事業作って昇進して人の前で話したりチームをまとめてみたいなことをやって…目立つ存在だったんですよ。
でも、サラリーマン生活がどうにもこうにも合わないというか飽き性というか(ここ僕のウィークポイントw)。
結果として、今は自分の会社を作ってフリーランス的なノリで仕事を受けています。
「新しいサービス」とか「新規企画」とかが大好物で、常に頭の中がファンタジーな感じなんですが、実はめちゃくちゃ慎重なんす。僕。
一見すると「イケイケで後先考えずに突っ込む元自衛官」て思われがちですが、全然そんなことないし、むしろそんな性格の人が羨ましいって思ってるんです。僕。
私が慎重な性格なのは「自衛隊」と「事業失敗」のせい?
海上自衛隊は連帯責任文化なので“誰かのミス”は“全員のミス”として、腕立て伏せしてみたり、走ってみたり…
ん?一度ロッカーの鍵をかけ忘れて、観音開きになっているロッカーの扉を両脇に抱えて基地の外周6キロ走った気がするな…
1つのミスが命取りだっていうことを身体で覚えさせられたんですよね。
※辛かった話は山ほどありますw
そして今の仕事につながるんですが、サラリーマンをしているときに山ほど事業を失敗してしまった…(成功もあるんですよ?)
何が辛いって、僕の失敗に人の人生を巻き込んでしまったこと。
結果として「新しいことが好き」だけど「失敗したくない」から慎重だけど決断早めなボクになっちゃったんです。
コップ1杯で人は死ぬんだぜ?
ようやく本題なんですが、今までに何人助けたことがありますか?
僕は4-5人くらいですかね。
・100kmウォークの大会で、深夜に山道で低体温症になっている女性をおぶって下山したこと。
・会社の入り口で倒れていた同僚社員をレスキューしたこと。
etc...
そして今日、水難事故にあった少年を助けました。
最近はおかげさまで忙しい日々を過ごしているのですが、今日は家族で珍しくでかけることができたんですよ。
水族館に行った後、子供たちにアイスを買ってあげて、海岸線で座って食べることに。
[写真参照元ブログ] 現場付近の様子:当時は水位・波ともに高い状態でした
周りは同じく水族館帰りの家族連れで賑わっていたのですが、太平洋の波が押し寄せる場所で、サーファーは嬉しいと思いますが右手の浜辺の人たちは水に入るのを躊躇っているようでした。
僕らが座った場所は荒波押し寄せる階段上の最上段。
一段一段は広いのですが、すぐ先の数段下まで水飛沫が飛んできました。
日陰になっている場所に腰掛け、子供たちが美味しそうにアイスを食べる顔を見て、幸せな時間を噛み締めようとしていた時、
左手の方で子供が泣き叫ぶ声…
見ると低学年くらいの子供が数段下の海側に降りたところで、濡れた苔に足を取られ、踏ん張ることもできずにズルズルと海の方へ滑っているところでした。
周りには人がたくさんいた気もしますが、そばには親が見当たらず、助ける人もいません。
僕は慎重でしたが早い決断をしました。
観客だらけの荒波ダイブ
苔で滑ることは百も承知でした。
少年が恐怖で四つん這いになって泣き叫んでいる場所へ着いた時、僕はなすすべもなく荒波の中へ落ちていきました…
※twitterでバズるタイプの恥ずかしい画だと思う
水深1m程度で波は1mほど。
6月の海はあたたかく、打ち付ける波はラグビーのタックルより優しい。
ただ、少年が命を落とすには十分な環境でした。
波をざぶんざぶん被りましたが、(着衣だけど薄着だったし)僕が海中いることで少年が助かる可能性は高くなると思っていました。
体力、身体能力、経験・感覚、そして右手の浜辺へと誘導するイメージがあったからです。
全身ユニクロ&全身ずぶ濡れな僕が海中から少年の方を振り返ると、妻が少年を誘導し、なんとか引きづりあげるところでした。
よかった。
その後、僕は予定通り右手の方から苔でヌルヌルの階段を這い上がり生還。
僕の冷静な判断で…僕の冷静な判断で…
と、思ったけど、
結果として財布とiPhoneが水没。
(なんで置いてからレスキューしなかったかなぁ・・・!)
僕の慎重さなんて所詮この程度なんスよ。
全ては親の責任なんだぞ
今日のあの時、あの場所で、僕以外の誰かがズブ濡れになることはありませんでした。
ただ、現実世界では夢見たヒーローにはなれないので、絶対に真似をしてはいけない。
実際に水難事故の死者数は毎日2人程度で、水難者の実に半数近くが亡くなっているようです。
僕は2歳で水泳を始め、海上自衛隊で海を知り、水泳能力検定で1級、海上で9:00-13:00という4時間の遠泳を経験。学生時代はスポーツジムのスイミングインストラクターとしてレッスンもしていました。
が、海は怖いです。川は怖いです。水は怖いです。
だから常に危機管理をしながら人生を楽しんでいますし、そのために身体を鍛えています。
それでも残念ながら水難事故の多くの命は救えないと思った方がいい。
子供の命を救うための3つの提言
1.子供から目を離すな
2.自らを律して子供を叱れ
3.知らぬなら学べ
後で悲しみに暮れるなら、その前に対策をするべし。
子供は好奇心の塊です。
驚くべきことに、今日は子供が海に近づくのを制止する親が横にいませんでした。
そう、僕が海に落ちていく姿を少年の親は見ていないし、子供が助けられる一部始終を親はどこか遠くにいたせいで知らなかった。
そして、どうやってかズブ濡れで海苔まみれな僕のところにやってきた少年の両親は、事の顛末もわからずに「ありがとうございました」と言って帰っていったのです。
全くの他人だし何かを望むわけではないのですが、願わくば恐怖で泣きじゃくる少年に「ごめんな」と謝ってあげてほしい。
そして、パンイチで家に帰ることになった私のためにも、海に潜む危険に対する危機管理の無さを恥じて欲しい。
さいごに
コロナウイルスのまん延防止対策で抑制される日々、いかがお過ごしですか?
僕は田舎で釣りをして、野菜を育てて、めちゃくちゃ仕事してます。
あ、あとダイエット。
自粛の反動からアウトドアブームのようですが、ホント気をつけて下さい。
10年くらい前に西多摩の山頂でソロキャンして東京の夜景を独り占めだーって眺めてる時、背後から襲いかかってくる自然の暗闇に恐怖して思ったんですよね。
“金銭の消費で満足感を得る”って尺度のまま、自然と対峙しちゃダメだよってこと。
PS:YouTubeのチャンネルでも作ろうかな〜
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