プロローグ――『交差する真実』
〈4730文字〉
「――というわけだ。もうわかるね、きみに一緒に来てほしいんだ」
「……」
「きみが返事にためらう気持ちもわかる。もっと早くに伝えるべきだった……。それに関しては、ひとえにお詫びするばかりだ――申し訳ない。落着するまでは、どうとも言えなくてね。ちょうど、きみのお店にお客さんが増え始めた頃だものな。でも、来てくれたからといって、きみが仕事をやめる必要はない。向こうでまた店を構えたらいい。前回はわずかばかりしか都合がつけられなかったけど、今度はぼくが準備に必要な