「微熱だ」というセリフの横に必ずある曲

微熱Ⓐgirlサマー

HISASHIの持つポップが大爆発した楽曲。マイナー調なダークな楽曲が得意に思えてしまうほど、「coyote,colored darkness」とか、「デストピア」とかの楽曲のかっこよさが目立つけれど、作っていて楽しいのはポップな楽曲だという。GLAY楽曲の中では、単体でみると異色さが目立つが、不思議なもので、アルバムやライブのセトリの中では他の楽曲との中にうまく馴染んでいく。マージしていく。それがまたすごいところ。尖っているだけではなくて、メロディの中にうまく大衆的なものを混ぜ込んだり、楽曲が伝えようとしているテーマや歌詞の共感性が高かったりと悪目立ちをする要因が上手に排除されているところが、HISASHI楽曲の秀逸なところ。ポップさについても、確かに異質な感じがあったとしても、それが他の楽曲とのバランスを取れる状態になっていく。不思議なものだ。

カラッとした明るさの中に、ちょっとジトっとした感情が混ざり込んでいるところが、この楽曲の魅力。音の弾んだ感じとか、ベースが跳ねているようなアプローチとかが、ポップさを際立たせる。夏っぽさが全開の楽曲なのに、歌詞の中のストーリーでは、夏以外に四季を想像できるようになっていて、2番Bメロの

秋の旋律(しらべ) 冬の街灯の雪
今も降り積もれど心に灯るメロディー

GLAY公式サブスクリプションアプリ「GLAY」

という歌詞からの映像が異様に強く、「あれ、夏の曲だよな?」と一瞬、わからなくなったする。そういうギミックのような世界観にファンをスッと連れて行ってくれるのは、HISASHIポップ楽曲の大きな魅力の一つ。只々、楽しい気持ちになるだけではなく、自身のイメージの外側のさらに外側にあるような世界を見せてくれて、そしてそれが新鮮で、どんどんとハマっていってしまう、抜けられなくなってしまうという現象は、この楽曲だけにとどまらず。

この楽曲はプロデューサーの亀田誠司氏がコーラスに参加されていて、ラスサビのわちゃわちゃした感じを盛り上げている。
(MVの最後に、レコーディング中の亀田氏の映像をメンバーが見て、楽しそうにイジるシーンが収録されている。)
そういう遊び心もあり、とにかく1曲通じて楽しい。ライブでもスカッとする。
ただ、最初に「ジトっとする」という表現をしたのは、歌詞のこと。
このストーリーの主人公(で良いのか?)の考えは、曲調のようにポップというか、カラッとはしていない。

ロックバンド組んだから売れたら付き合えるかな?

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考えが湿っているよ。打算的だよ。この歌詞で終わるところ、HISASHIっぽくて好きだけどね。

#GLAY #微熱agirlガールsummer #ロックバンド組む動機の不純さよ #HISASHIポップ大爆発

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