タイトルだけで楽曲のイメージを作りすぎることの弊害

My Private "Jealousy"

この楽曲、アルバムではイントロの前に”Red moon & Silver son”と言う副題(?)がついて、それこそライブのオープニングSEの世界観が凝縮されていて壮大だ。元々のイントロよりも弦楽器の音の厚みが、これから始まる1曲の豪華なプロローグで、でもそこだけを切り取っても、少なく見積もって数千万円規模のCM音楽になりそうな仕上がり。”Red moon & Silver son”の冒頭だけでも、この時のライブのオープンイングにスッと戻ることができる。もう10年以上の前になるのか。。。

初めて聴いた時は正直、ちょっとダサさがかっこいい感じの楽曲だと思っていた。今聴いてもそのダサさは感じないため、おそらくタイトルの感じがちょっとダサい感じが、なんかGLAYっぽくて微笑ましいよねと当時、同じ会社のGLAYファンの後輩と言い合っていたように記憶している。
ただ、さすがシングルになるだけのことはあり、ただただダサかっこいい(とあえて表現をしよう)で終わらないところがGLAYのすごいところだし、バンドであることの奥深さなのだと思う。自身の頭の中で描いている形を完全に一度崩されて、まったく別のアプローチのものになるなんてこともあるようだが、それが楽曲の、ひいてはバンドのプラスの変容に寄与する。

この楽曲は、あえてちょっと外したようなタイトルをつけておきながらも(本人がいたって真面目につけたタイトルだったらそれはそれでやっぱりGLAYだなと思うのだが)、楽曲はバンドとしての味わいポイントが山盛りで、夜歩きながら聴いていると、自然と体が歩行以外の動きをしてしまう。
楽曲のテンポというか、ノリとしては、「誘惑」や「口唇」のようなストレートなロックタイプではないので、リズムの取り方が独特ではあるものの、特にライブを楽しむ時のポイントが満載。
見どころはやっぱり間奏のツインギター。GLAY楽曲の中ではよくあるパターンなのだが、HISASHIソロがあって、そのあと、役割が入れ替わるような形でTAKUROがソロを引き継ぎ、最後にユニゾンだったり、それぞれがリードを取るような形で、ギターのストーリーが作られていく。それが顕著に見られるのは、こういうタイプで、ライブでの見どころも多い楽曲なので、ライブの中ではどのようにメンバーが動いていくのかを気にしながら見るものもまた楽しい。

基本は裏拍なのに、サビで一瞬だけ表拍にあるところがあり、そこでのメロディーが裏拍をとっているという転換のような、気にしなくても気持ちよく聴けることまでを一つとして、計算されて作られている楽曲ならば、俄然興味が湧いてくる。

↓リリースから約10年後のライブ映像。
俄然進化の一途をたどっていることが理解できる

#GLAY #myprivatejealosy #タイトルは大切だけど言葉尻だけを摘み取ることなかれ #裏拍と表拍

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