新たな才能を解き放つ

Cynical

初めてHISASHI詞曲の楽曲で世に放たれたのがCynical。「生きてく強さ」のB面がこのタイトルの楽曲なのだから、当時のカップリングというのは、なかなか攻めたことをやろうしていたことが伺える。
オリジナルアルバムに収録されているわけでもないので、シングル購入者以外が耳にすることはほとんどない、隠れた名曲。

リアルタイムでシングルを買ったわけではなく、ファンになった後に友人からプレゼントしてもらい、そこで初めてこのCynicalを耳にするのだが、最初に聴いた時の衝撃たるや。
え、GLAYの曲?というのが最初の印象だったような気がする。確かに、初期のアルバムには、高校生の初期衝動的なものやロックにモヤモヤした感情をぶつけているのではないかと思わせる楽曲もあったが、それとは一線を画すような楽曲。
耳にしたことがない単語がずらっと並べられ、リズムの取り方が独特。いわゆる「ノリ方」もよくわからない。それまで、J-POP王道ばかりを耳にしてきた10代前半の田舎っ子には、刺激の強い楽曲だったように思う。

隠れた名曲とは言ったが、意外にライブではよく聴く。もっとライブで聴いていないシングル曲も多い中では、ライブでの登場回数も多く、ファンの間では、もはや隠れてもいない名曲だ。

HISASHI楽曲は、特に歌詞の理解が一筋縄ではいかず、まずはわからない単語をえっちらと調べるところからスタートするのだが、独特な表現こそすれ、伝えようとしていることは普遍的。
この楽曲も Cynicalなんてタイトルではあるが、書いていることは若者の気持ちを代弁するような王道のように思える。この楽曲がリリースされた時は、彼らもまだ20代。自分たちが特殊な世界で生き抜くために見ている世界に対して、このアウトプットができるHISASHIの覚悟のようなものさえ感じる。

人に合わせて上手く生きる シニカルな舞台で
飼い慣らされるのは趣味じゃない
ガラス細工のように 守られ続けて育った後遺症はリスクとなり
「悪い大人達と作る 綺麗な嘘」に
気付き始める NEXT WORLD!

GLAY 公式サブスクリプションアプリ「GLAY」

そして、この楽曲も多分にもれず、ひどい中毒性があることは言うまでもない。


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