バニラでもなく、チョコレートでもない。ストロベリーのシェイク

ストロベリーシェイク

7月に函館旅行に行った時に、「ラッキーピエロ」で飲みました、ストロベリーシェイク。もちろん、この楽曲がきっかけ。普段はシェイクを飲む選択肢はほぼないに等しいが、見つけてしまって、口に出したら注文してしまう。JIRO好きあるあるのひとつだろう。

「BE WITH YOU」のカップリング曲。シングル曲からの流れでカップリング曲へと進んで行った時に、当時はちょっとばかり耳を疑った。
カップリングは3曲収録されているのだが、3曲がひとつながりになっているような構成で、その3曲の作曲者が全員別というなかなかチャレンジングなもの。
その3曲の間で、最初の「毒ロック(HISASHI曲)」からの流れを受け継ぎ、「It's' dying It's not dying(TAKURO曲)」にスッとつなげていくのが「ストロベリーシェイク(JIRO曲)」。その個性溢れる2曲の間で、淡々としたJIROボーカルで進むこともあり、そこまで深く聴き入ることがないままだったが、よくよく聴くと、3分ほどの間で様々な表情を見せてくれる。最初は、「毒ロック」の静かなる終わりを受け継ぎ、フェードアウトモードを感じさせながらも、一気にピコピコとした電子音で覚醒。不思議の国に迷い込んだような音の中に突如JIROボーカルがスタートし、抑揚がない状態のまま前に前に進んで行く。転がって行くという表現の方がしっくりくるか。サビと呼ぶには大きな盛り上がりもないフレーズで、ようやくメロディーに伸びやかさが生まれ、そこで歌われているのが

刻むビートだけはボクの救い
揺さぶる頭脳にループしてくれ

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という苦悩ともとれる言葉たち。普段、作詞はあまりしないJIRO氏が綴る歌詞には、いつもその時のリアルが見える。ボーカルに余計な力が入っているようには感じられないが、それでも、この部分については、当時の感情のようなものが透けて見える。そうでもなければ、

ストロベリーのシェイクを
がっ!とひと飲み さぁ出発だ

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とはならないか。ストロベリーシェイクは、がっ!と飲むものでもなければ、ひと飲みするようなものでもなく、おやつの時間に味わう象徴のような飲み物。それをがっ!と飲んで、出発だ!と自身に言い聞かせる状況は、日常とは程遠い。一定の苦悩のようなものを淡々とした楽曲に昇華させたということだろうか。

そんなふうに聴いてみると、短い楽曲の中での様々な表情ひとつひとつがなんだか愛おしい。


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