高速道路の渋滞に寛容になれる気持ちを教えてくれた

HIGHWAY No.5

恐怖も不安も絶望も明日になれば忘れるはず
中国の地獄の底から這い上がったような酒とともに
使い古しのジャンプ・フード それだけあればなんとかなる
そう、全て変わらないんだ

高速道路大渋滞 自慢のターボかなり不機嫌さ
高速道路大渋滞 いつの時代も気まぐれなんだ

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疾走感というものがぎっしり詰まった楽曲。楽曲そのものが、とにかく駆け抜けていくような感覚をいだく。高速道路が大渋滞なんて謳っているのに、楽曲そのものが持つ駆け抜けていく感覚は心地よい。歌詞のいさぎよさのようなものも要因のひとつではないか。「高速道路大渋滞」という七字熟語の字面からも、ぎっしりと車が列をなしている様子は誰もがイメージできる。そのイメージとは真逆のことを表現している疾走感に思い切り酔いしれると、心の奥底まですっきりする。それこそ、大渋滞にハマって悶々としている時に一度聴くと、心の平穏を一時的にも取り戻すことができる。

なぜそんな風に悶々とした気持ちやイライラする感情を一蹴してくれるのか。JIRO楽曲の特徴であるシンプルさもその一つだと思うし、ベーシストが生み出すグルーブ感が際立っていることも要因ではないか。ど頭はギターの特徴的な音で始まるが、数秒後にベースの音がにょきっと顔を出した後からは、ベースとドラムが楽曲の土台を作るだけではなく、楽曲の顔となって表に堂々と出てくる。ドラムの小刻みかつ力強い音は、心の中に溜まっているネガティブなものを一掃してくれる。ドラムが楽曲のリズムを支えるのは周知の事実であるが、それがここまで際立って感じられる楽曲はそこまで多くないのではないか。そして、そのシンプルながらも心地よいリズムの上に爽やかに乗っかるボーカルもまた「潔さ」を感じさせてくれる。シンプルでありながらも、スッと使われるファルセットの心地よさは、渋滞を横目にスピードを上げて走り抜けていく心地よさに似ているように思える。

しばらくライブで聴くこともなかったので、バンドとしての成熟度が増した今はどう演奏し、それを生で聴く自分がどう感じるのかを久しぶりに感じてみたい。思い切りはっちゃけられる楽曲の1つとして、スッとセットリストの中に混ぜていただきたいものだ。そこまでアレンジを期待する方ではないが、楽曲そのものがシンプルであり、かつしばらく演奏されていなかったことも踏まえ、今のGLAYならば、どうアレンジをするのか?なんてこともこの楽曲については、気になるところだ。

#GLAY #HIGHWAYNO5 #高速道路大渋滞 #中国の地獄から這い上がったような酒

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