外に外に意識を向けてみる
夢遊病
この楽曲でコラボレーションをしている「紫雨林(ジャウリム)」というバンドのキム・ユナ氏の声が好きで、彼らのアルバムを購入した。そして、それがきっかけで大学での第二外国語は、韓国語を選択した。
そう、「夢遊病」が、第二外国語に韓国語を選ばせるきっかけを作ったのだ(「夢遊病」が収録されたアルバムがリリースされた後に、冬のソナタが日本で大ヒットしたため、私の韓国語選択理由が、ぺ・ヨンジュン氏なのではないかと思われた節があったが、見当はずれもよいところ)。
この楽曲が収録された『ONE LOVE』がリリースされた2001年、彼らは「GLOBAL COMMUNICATION」というシングルを4月にリリースし、二度目の大型野外ライブ「GLAY EXPO2001」を刊行。前回と異なるのは、全国3ヶ所で開催され、ラストの九州門司港で行われたライブは、GLAY以外のアジア5ヶ国のバンド・アーティストが一堂に会し、九州にてアジアの夜明けを見るというオールナイトライブとなった。その際に、参加したバンドの一つが韓国の「紫雨林」だったのだ。元々、面識のある両者ではなかったようだが、その出会いをきっかけに意気投合したようで、その後も関係性が継続し、この楽曲にキム・ユナ氏の参加が決まった。
前置きが長くなったが、彼女の声が間奏のあたりを中心にふわっと入ってくるのだが、少し不気味な感じを漂わせている感じが、なんとも楽曲のけだるい感じにマッチしている。非常にパンチのある楽曲を強い声で歌える才能を持っている人だが、「夢遊病」で魅せた声は、非常に澄んでいる。しかし、その澄んだ声の中にちらっと見え隠れするのが、一筋縄ではいかないような不穏さ。それが、スーッと空の方に消えていき、煮え切らない気持ちだけが取り残されたような感覚に陥る。声の使い分けが絶妙だ。
日本以外のアジアのアーティストに興味を持ったのは、紫雨林が初めてだ。
リリースされた当時から、『ONE LOVE』がとにかく好きで、次のお気に入りアルバム『THE FRUSTRATED』がリリースされるまで、アルバム通しで何度聴いたことか。(誤解なきように補足をすると、『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』も今となっては大好きなアルバムだが、当時の自分にとってはパンチが足りないように感じていた。。。)
「夢遊病」は15曲目(/18曲)で、アルバムの締めに向かう楽曲。ベースから始まるインパクトのあるこの曲は、GLAYの中でも割と珍しい曲に分類されるだろう。今のTERUの声との相性が大変良さそうだ。
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