MISIAとのコラボが気持ちいい
YOUR SONG
今から5年ほど前のメットライフドームでの出来事。日本の歌姫:MISIAとのコラボ楽曲がこの「YOUR SONG」。夏の野外に映える楽曲。大量の汗もこの楽曲と一緒であれば、なんだか爽やかに、そして健やかに感じられるのだから音楽の力は偉大だ。日本の歌姫に負けず劣らずの爽快なTERUのボーカルが、とにかく心の奥底の方に溜まっている膿のようなものもきれいさっぱりと洗い流してくれて、爽やかで澄んだ空気をたんまりと送り込んでくれる。心の奥の方までスコーンと響くTERUの声は、鬱積した気持ちも、ジメジメした蒸し暑い空気も見事に吹き飛ばしてくれた。
一度だけ、カラオケで歌ったことがあるが、とにかく高い。心地のよい遠くまで抜けるような声でTERUは歌っているけれど、相当高い。これを涼しい顔して、しかもあんなに動きながら歌えることが信じられない。さらに、ちょっと裏声のように聴こえなくもないのに、見事なまでな力強さ。どういう喉の作りだったら、あんな声を出すことができるのであろうか。ライブの時は、コール&レスポンスのための客席への声がけも、歌同等の声のトーンで。普通の感覚ならば、歌のためにそのあたりはちょっと控えめにするだろうが、そこまで全身全霊でやるもんだから、喉強オバケと表現したとしても怒られやしないだろう。場合によっては、その会場の煽りをやったことでより声が通るようになって、次の楽曲をよりのびやかに歌うなんてもことも珍しくはない。
GLAYはポップでキャッチーな楽曲が多いが、その中でも1,2を争うレベルでこの楽曲はポップだと思う。なんせTERUもしっかりとMVの中で、とあるグループのようなダンスを踊ってしまったりしているほど。このキャッチーさのキーは、スカとGLAYの楽器隊の音が気持ち良いほどに溶け合っているところにあると思う。スカの音はもちろん、楽曲に明るさや活気をもたらしくれるが、そこに他の音が混ざり合わなければ、それぞれの音のよさが引き立たない。どちらも目立つ必要性はなく、どちらかを引き立てることで逆に引き立てている方も結果的に引き立つことにも繋がる。キャッチーな楽曲ほど
音の跳ね方や細かい音の粒が揃っているかという細かいところが気になったりもするので、個々の主張が強すぎない方が、まとまって全体の軽快さを生み出していく。ギターソロでは、ギターが際立ち、それはバンドとしての基礎力の強さをより印象付けることになる。
そして、最後のピアノで気持ちよく終わっていく感じ。プールの後のちょっとした気怠さを思い出す。心地よい疲れを味わって、そしてその余韻に浸って。良い音楽に触れた後って、気持ち良いし、清々しい気持ちになる一方で、力を入れて聴いてしまう節がある。でもその時の疲れはなんとも心地よいのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?