夏の余韻に浸りたい夜に

SUMMERDELICS

GLAYだけには限らないことだと思うが、GLAYはANNIVERSARY YEARを大切にするバンドなので、周年ライブについては、シングル曲をたっぷり詰め込んだ王道曲を並べたライブをすることが多い(なんて言いながら、10年ぶりの20周年締めくくりの東京ドームはかなり攻めたセトリになっていたが)。
だからこそ、その次の年あたりは、結構実験的な楽曲やアルバムをリリースすることが多いように感じる。
この「SUMMERDELICS」が収録されている『SUMMERDELICS』も、近年稀に見るぶっ飛んだアルバムだと思う。前年は、彼らのファンクラブ「HAPPY SWING」が20周年を迎え、FC会員限定の夏のライブをやっていたこともあり、そしてそこで、TERUのぶっこんだ提案があったことで、GLAYの中の箍が外れたのかなんてことを思ったりもする。そのアルバムのシンボル的楽曲が、アルバムタイトルに踏襲されている「SUMMERDELICS」だ。

個人的には、このアルバムがリリースされた2017年については、結構記憶が曖昧なのだ。当たり前の感覚で言えば、この年にライブに行っていないということは、至極まっとうな状態であったのだが、途中でその事実に対する悔しさのような思いがこみ上げてきて、1回だけ冬のツアーに参加することになった。そのツアーが『SUMMERDELICS』ツアーだ。久しぶりにライブに行けた嬉しさばかりの感情で、正直ほとんど記憶がない。アルバムもいつもと比べると全然聴けないままだったので、そのままちゃんと聴くこともなく。。。で、このアルバムの魅力に最大限気づいたのが、今というわけ。中でもこのタイトル曲、しびれるではないか。確かにJIRO楽曲っぽいけれど、今まで以上に遊んでいるというか、新しいことを楽しんでやっている感じがする。サビだけ、ちょっと転調したり、大サビ前のタイミングで急にテンポが変わってガラッと雰囲気が一新したり。GLAYらしさ全開の楽曲はもちろん、本人たちが面白がってやっている実験的な楽曲をアルバムに集めてツアーをやろうという発想そのものが、バンドの良い健康状態を表しているし、長年継続したバンドだからこそできること。「なんかGLAYっぽくないからこファンやめる」なんてファンもまぁ、少ないだろうし。

TERUのちょっといたずらっ子的な表情が見えてくる歌い方が、なんとも言えない。無邪気さすら声で表現させてしまうとは。きっと歌っていても楽しかったのではないだろうか。だからこそ、もっとライブでやってもいいのではないかを素人目には感じてしまう。ライブハウスとか向きかなと思うので、ちょっとした実験的なイベントでもやるときにセトリに入れていただきたい。

The World of GOLDEN EGGSのMVがなかなかシュールで面白い。変な生き物と一緒にメンバーが行進しているシーンがなんとも言えない面白さを持っている。何度かMVを観ると、元々こういう世界観のものを作ろうとしていたのではないか?という錯覚に陥りそうになる。

MV含めて、必見必聴楽曲。

#GLAY #SUMMERDELICS #GOLDENEGGS #2017年唯一のライブ

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