笑顔になれるけれど、なぜか泣けてくる。そんなPVがあるのです。
一体何のプロモーションのための映像なのかわからないくらい、GLAYというバンドの自然体が出過ぎているPV(でこの記事内は通します)の代表格がこの「Blue Jean」。このPVが世に出るまでは、その座に「SOUL LOVE」がいたことも、共通認識だと思う。
楽曲のプロモーションというよりも、GLAYそのもののプロモーションなのではないのかという程、GLAYの人柄とか、メンバー間の関係性とか、そういうものが滲み出ている。というか、出てしまっている(なぜなら、彼らは演技がうまくはないからだ。決して否定的な意味としては言っていない)。そう、演技だったら、むしろあんな風にはできないのがGLAYなのだ。
「Blue Jean」の舞台は沖縄。沖縄の夏をメンバー4人で満喫している様子が、とにかく1曲丸ごと撮影されている。それぞれのメンバーごとのカットがあって、最後にメンバー全員で集まった時にキャンプファイヤーを囲んで、乾杯をして談笑をするというわかりやすいストーリーなのだが、メンバーがとにかくずっと楽しそうだし、自然体だし、楽曲がとにもかくにもいい曲だから、見ているこちらも笑顔になる。と同時に、なぜだかちょっと泣けてくる。
好きな人の幸せそうな顔を見ると、なんだか心が洗われるような気持ちになり、胸がいっぱいになり、泣けてくるのだろう。
特に、この楽曲がリリースされた後、1〜2年ほどは、GLAYにとっては転機となる時期で、なかなか笑顔ばかりを見られる状況でなかったことも知っているから余計に。
そして、この「Blue Jean」は、その年の最大イベント「GLAY EXPO2004」後にリリースが決まっていた楽曲で、ライブでも披露されたのが、TERUが涙を流しながら歌った「HOWEVER」の後だったため、ある意味でのインパクトのある楽曲デビューを果たした曲。ファンとしてのエピソードが豊富な楽曲でもある。
ただ、メンバーの笑顔がとにかく眩しくて、泣きそうになるほどのものなので、落ち込んでいる時もそうだし、思い切り泣きたい時に見るPVとしても最適。楽しさや軽やかさの中に見え隠れする切なさや儚さ。ただ、夏をたのしむだけではなく、過ぎ行く夏をを惜しむところまで、絶妙に表現されているため、最後にTERUが運転する車が、友と別れを告げて長い道を走り去っていく後ろ姿とリンクして、切なさを演出する。友との楽しかった時間も終わりを迎え、また会うことを約束し、それぞれの道に戻る。なんだか、ライブ終わりに、TERUの「いってきます!」に「いってらっしゃい」と返し、また会うことを強く約束してステージから去るメンバーを見送る、抑えられない寂しい気持ちにも重なる。
もう、20年も前の楽曲になるが、このPVを今撮影したとしても、きっと同じ空気を出せるだろうなと思わせてくれるGLAYの関係性も含めて、改めてGLAYが好きであることを実感するのである。
https://www.youtube.com/watch?v=319oKRtJBiE
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