疾走感と技巧の乱れ撃ち

口唇

26年前だった。GLAY一本足打法になったのは、この楽曲がリリースされた前後だったように記憶している。この楽曲がGLAYを知ったきっかけではなかったが、いわゆる「HOWEVER」前、『REVIEW』前。大きな花火が夜空に咲き誇る予兆を感じているところ。この頃から、リアルアイムで観られない番組を(当時はまだVHSに)録画し始めた頃。
この後に「誘惑」がリリースされたことにより、二字熟語代表の座がなんとなく「誘惑」に明け渡されてしまった感があるが、それでも始まりは「口唇」なのだ(当たり前だが、「くちびる」で変換すると、「唇」としか変換されない。単語登録しようかな。。。)。
今MVを観ても、やっぱりかっこいい。バンド感が前面に出ているMVはやっぱりバンドのライブ感を感じる。TERUの歌い方の原型はこの頃には確立されているが、まだちょっと尖った感じがするところに、バンドの初々しさを感じたり。このMVの特徴といえば、1'26のJIROの顔がアップになって、目が左右に動くところ。このイメージが強い。

初めて「口唇」を聴いた時に、なんか拍が取りにくいなと感じた記憶がある。ピアノを習っていたこともあり、基本は一定の4拍ならば4拍が続き、3拍ならばそれが基本的なリズムとして継続する。が、「口唇」は変則的は拍の取り方が多い。今でこそ何百回と聴いているから違和感も何もないが、初めて聴いたときのピュアな状態の時は、自分の体が知らない拍の取り方だと感じたものだ。そういう意味でも「口唇」はもっともっとライブでやってくれても良いのにと思うが、立ち位置的に重なる楽曲が多いのだろう。

イントロがなく、「口唇に奪われた〜」というインパクトのある歌詞のサビ始まりで、Bメロに入るところで、1小節目にすぐボーカルが入らないところとか、サビ前に2拍子になるところとか、サビ直前に畳みかけるような5連符(という表現は正しくないが、ここではそう表現したいと思います。)を入れ混んできたりとか。当たり前のようにサビでは転調して、2番になると5連符を3回連続で畳み掛けてきたりとか、大サビ前に

cool & tough! she's a liberty

GLAY公式サブスクリプションアプリ「GLAY」

というインパクトがあり、ライブでも会場を一気に揺らせるようなポイントを作ったり、アウトロも、「えっ、その終わり方?」と思うような勢いのままで幕を閉じる。4分弱の間にいくつも仕掛けがあり、1曲の中で色々な表情を見せてくれる楽曲。GLAYのメンバーのよう。ある側面だけを見るのではなく、様々な角度から見ることで、味わいが深くなる。

夏のど真ん中にもう一度、舐めるように聴いてみるとこの楽曲に詰め込まれた多くの仕掛けに気づくのではないか?

まずは、今見てかっこいいMVからどうぞ!


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