音だけで旅をしよう。

GROOVY TOUR

「ラテン系のノリ」まではいかずとも、日本よりももう少しPOPな印象のある国に出かける前の光景を見せてくれる。心が浮き足立っている様子が伝わってくる。

「Ladies & Gentlemen , are you ready?」という、なんとも心が解き放たれるような問いかけてで始まる「GROOVY TOUR」。そう、ワクワクする旅は、楽曲が始まったすぐそのタイミングからもう始まっている。光景としては、自分はまだ飛行機に搭乗しておらず、自分が乗るだろう便が空港に着陸するところを屋上から見ているという画。旅は、得てして始まる直前が気持ちの盛り上がりのピークと言っても過言ではない。だって旅がまだ想像の範囲内のものだから。実際行動すると少なからず、期待値に届かないことも多ければ、場合によっては速攻家に帰りたくなったりもする(そういう時の直接的原因は旅行にあるわけでもないし、自分がどうすることもできない)。だからこそ、このイントロのこれから出発するというイントロからのサビは、なかなか奥深い。イントロ後のサビの前のドコドコしたドラムの音が、なんだか夢から覚めたようにも錯覚してしまうほど。ほらほら、いってらっしゃいと背中を押してもらった気持ちになる音。

サビはとにかく心が踊るようなメロディ。さぁ、この旅でたくさんの思い出を作っていこうよという誘いの言葉をかけてもらったり、旅先での思い出作りは、なにも観光名所を訪問するだけがすべてではない。旅先で出会った人と食事をしたり、お酒を酌み交わすのもまた旅の醍醐味だったりするし、思い出の作り方もまた千差万別。「GROOVY」は人の数だけある。

1番Aメロには、当時サポートキーボーディストだったメンバー「D.I.E.」の文字も。ちょっとした遊び心を入れ込めるのは、やっぱりアルバムだからこそという事情もあったりするだろうか。当時はシングル曲では、多くの人に知ってもらうためのキッカケ的な側面もあっただろうから、攻め方が亜流のものは、一旦アルバムにという結論は頷ける。そして、アルバム1曲目に収録されることの意味。リピートした時に、アルバム最終曲から「GROOVY TOUR」に戻るナチュラルさ。ラストの楽曲と通ずるところも感じる。そう考えると、この楽曲が1曲目になる必然性に深く納得。

アルバム1曲目は、アルバムの顔的存在で、アルバムの方向性を指し示すようなものであるとそのアルバムへの安心感につながる。心の安定感とも言えるかもしれない。楽曲の途中で、旅先が宇宙なのではないか?とかちょっと不安になる箇所もありながら、ラスサビ前ではTERUの問いかけるような艶声で歌うシーンもあって、旅先での一筋縄では行かないできごとのハイライトを見ているような気持ちになる。音だけで、旅に連れてってくれるだけではなく、その人の解説までしちゃうんだから、やっぱりGLAYってすごいなーって懲りずに感じてしまうであーる。

#GLAY #GROOVYTOUR #旅の恥は掻き捨て #脳内旅行へ出発

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