愛という字の真ん中の心の声

戦禍の子

タイトルを初めて目にした時、ぎょっとした。『NO DEMOCRACY』というアルバムに収録されている楽曲であることを考えると、さほどミスマッチ感はないかもしれないが、タイトルのインパクトが大きすぎる。実を言うと、初めてライブに行くまでは、それとなく聴く程度。心ここにあらずの状態で、聴き流していたと思う。25周年記念のアルバムであったこともあり、もうちょっとお祭り騒ぎを自身の中で味わって痛かったのではないかと今なら思うし、その時の心情も十分に理解できる。あの頃の自分が求めるものは、底なしの楽しさだったから、尚更。

そんな自身の心情を根底から覆したのは、やはりライブだった。今ではすっかり当たり前になっているスクリーンに歌詞を出してくれる件について。GLAYがフェスに出た際に、他のアーティストのファンの方からスクリーンに歌詞が出るのが良いと言うお褒めの言葉をいただき、今更ながら当たり前でないことに気づいたのだが。
楽曲の特徴から、歌詞そっちのけでガンガン暴れる楽曲ではないし、基本はメンバーがステージ定位置で演奏してくれるので、メンバー後ろのスクリーンに映し出される歌詞を追いながら聴いていたら、涙が溢れてきた。
まさに、自分自身に問いかけられているような気がして。「愛」という文字についての内容から、ちゃんと愛してもらいなよという提案から、最後のちゃんと愛してあげるんだよという教えのようなものまで全て。
なぜにこれほどまでに、自身のことを歌ってくれているのだろう、自身の想いを汲んでくれた上で、ただただ励ましの言葉を置いて行くだけではなくて、自分はそうならないようにするんだよと背中を一度撫でてくれた上で、押し出してくれるような歌詞。その時の自身に一番必要だった言葉をこれ以上ないタイミングで手渡してくれる。握らせてくれる。GLAYが歌うことは、本当に日常に寄り添ってくれるなということを実感した瞬間だった。

「戦禍の子」というタイトルでありながら、楽曲に温度感があって、その温度感が冷えた手や心を包んで暖めてくれる感じにまた救われる。悲壮感に打ちひしがれるでもなく、妙に説教くさくなるでもなく、それこそ隣でじんわりと温かさを放ってくれる感触。冬の陽の当たる芝生の上に寝転がった時、じんわりと太陽の温かさを感じるような安心感ある。
ギターソロの音も丸みがあって、細い弦を爪の先でかき鳴らすのではなく、ちょっと太めの弦を指の腹で表面積たっぷりに弾いてくれている感じがする。そういうところに個を無理やり出すのではなく、楽曲に寄り添うアプローチ、GLAYっぽい。

愛という字の真ん中で
怖い思いをしてるなら
辛い思いをしてるなら
酷い思いをしてるなら
君が大人になったなら
ちゃんと見つめてあげるんだよ
ちゃんと守ってあげるんだよ
ちゃんと愛してあげるんだよ

GLAY公式サブスクリプションアプリ「GLAY」

はい、「ちゃんと」愛します。

#GLAY #戦禍の子 #NODEMOCRACY #愛という字の真ん中で #ちゃんと愛してもらうんだよちゃんと愛してあげるんだよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?