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夫の分も含めてありがとうございます

母親に「ありがとうございます」と言われる。入院中の父親を見舞い帰るとき、深々と頭を下げられた。どこかおかしい。「息子だよ。ありがとうございますはないだろう」と苦笑した。

見舞客に対する丁寧なお礼だった。自分の子どもも、近所の人もみな同じ見舞客。母親にしたら、夫の分も含めての「ありがとうございます」だったのだ。その父親も母親も既にいない。

田舎の県立病院へ何度も行く。身内や知り合いも入院していた。早めに着き待合室で時間調整中のこと。顔見知りの人に「面会時間は気にしなくていいよ」と言われた。割と自由らしい。

最近、私も「ありがとうございます」という機会が増えた。身内に対しても丁寧にお礼している。ただ、患者の気持ちになって考えると、お見舞いの際の長居は禁物。ほどほどにしたい。

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