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校長先生一家5人2DKで我慢の生活

小学校の校長先生は空気銃が趣味だった。毎朝、教職員住宅の裏庭に出てくると深呼吸。その後、30㍍ほど先に立つ木に狙いを定め引き金をひいた。標的は枝に吊るした缶詰めの缶だった。

山の中の小学校なので、教職員住宅が完備していた。教職員は10人足らず。校長、教頭以外は独身者が多かった。カメラが趣味の男の先生は 現像、焼き付け、引き伸ばしを一人でこなした。

校長先生は5人家族だった。奥さんのほか、息子夫妻、年の離れた小学生の子ども。息子は隣町の小学校の先生で、真っ赤なナナハンで通勤していた。嫁さんは校長先生の部下でもあった。

その後、校長先生は異動になり一家で引っ越した。住宅に入って見た。狭い2DKでの生活が目に浮かぶ。教職員住宅完備が聞いてあきれる。「よく我慢しましたね」と詫びる自分がいた。

我が家の畑の木の枝に吊るした缶詰めの缶。空気銃に撃たれたら大変だ。そう言うと、兄は「服を着ていたら大丈夫。痛くもかゆくもない」と笑った。これは本当か。信用していいのか?

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