最近あったこと①
最近、身近な人が亡くなりました。
その時感じたことを、つらつらと。
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午前8時
家を出るとどんよりとした天気で、どうにもうっとおしい空色でした。
会社に向かう車中、ラジオから午後から雨が降るでしょう、という予報を聞き尚更うんざりしていました。
「せっかく久しぶりの外食なのに」
少しくさくさしながらもアクセルを踏む強さは変わりません。少しでも快適な気分を、と青信号に変わった瞬間勢いよく車を発進させました。
午前8時20分
信号のタイミングがよかったのか、スムーズに会社へと着きました。車中では最近お気に入りの「14平米にスーベニア」を流していたこともあり、家を出たときの陰鬱な気分はどこかへいってしまいました。
良い気分になり、会社の玄関をあけようとしたところ母から電話がかかってきました。
「おじいちゃんがなくなった」
電話越しの母の声は震えていました。嗚咽混じりでした。涙をこぼしていました。わたしは、言葉の意味を理解しました。空は曇り空でした。
ただ、動転はしましたが涙を流したり、喚いたり、ということはありませんでした。とりあえず上司に報告しなくては。それだけを強く思っていました。
「ちょっとタバコすわんですか」
上司に声かけをした時、息が詰まったような気がしました。
「先、いってますんで」
屋上にある喫煙所へ向かう足取りはとても重く、なにか辛いはずなのに、胸の内はぽっかりとあながあいたような感じで。
この時からじわじわと近しい人の「死」を感じていたのだと思います。
喫煙所につき、タバコに火をつけようとするも風が強いせいか何度ライターをつけても、火はつきません。
タバコは火をつけた時、吸わないとつかない仕組みになっています。わたしは、呼吸することを忘れていたようで、何度もカチカチとライターをさわっていました。
「で、話があるって、なんのことかいの」
上司がタバコをつけ、そう尋ねてくる頃には落ち着きを取り戻していました。
「実は、身内が亡くなってしまいまして、午後から半休取りたいんですが可能でしょうか」
ぽろぽろと涙がこぼれ、声は震えていました。
上司は驚いていましたが、わたしはそれ以上に驚いていました。
事実を報告しただけなのに、悲しくなるようなことは何も考えていないのに、感情は正直なのだと。そのように自分の気持ちを俯瞰する思考と、どうにか平静を保とうとしなければと必死になる思考がわたしの中で駆け巡っていました。
天気予報では午後から雨だったのですが、午前8時37分、雨が降り始めました。
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また、気持ちに整理がついたら続きを更新していくと思います。
身近な人が死ぬって、こういうことなんだとずっと俯瞰した気持ちでいました。
明日が告別式です。
今の自分の気持ちはよくわかりません。
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