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恐怖体験:黒猫

この間のことです。
深夜、カブに乗って、家から一番近いJRの駅から帰宅している時、T字の交差点があって、私はそこで信号待ちをしていました。

その交差点の手前には大きな坂があり、排気量が50ccしかないカブではノロノロとしか走れないため、青だったはずの進行方向の信号も私が差し掛かる頃にはちょうど赤になってしまいました。
いつものことなので、私は両足を道路につけ、信号の色が変わるまで目の前に広がるいかにも深夜らしい暗闇をぼーっと見つめていました。

先にも言った通り、そこはT字路になっているため、すぐ目の前には横断歩道があるのですが、その奥は歩道になっています。

ウインカーのカチッカチッという音とカブのエンジン音だけがその辺り一体に響いて、他には何も聞こえませんでした。そこは本当に私1人だけだったのです。

そんな静を極めた空間の中に動きがあったのを私の目は捉えました。

奥のTの横棒にあたる歩道を、つまり私の真に目の前をゆっくりと、私にその姿をはっきりと見せつけるかのように、ゆっくりと、黒猫が目の前を横切ったのです。

おい

おいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

おいィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ‼︎!(←新八きゅん💕)

黒猫横切ったら不幸になっちゃうでしょうが……………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

そんなことも知らないのかこの世間知らずの黒猫がよ

殴らせてくれョ…黒猫さんョ……アタイ一発殴らないと気が済まないよ
気もすまないしこの身に降りかかった邪気を落とさないとまずいのよ

だからこの信号が青になるまでそこで待ってなさいよ。あたしはね、猫を殴るという動物愛護の観点から設立された法律はノリノリで破ってやろうと思ってるけど、道路交通法だけはちゃんと守ろうと思ってるのよ。だって動物愛護法違反でマイナス1ポイント、道路交通法遵守でプラス1ポイント、よってプラスマイナス0ポイントになるでしょう?
ポイントがマイナスのまま繰り越しちゃうと天国に行けませんからね。

黒猫が横切ったからって別に不幸になるわけじゃないんだよ、起源はもっと別のことなんだよとおっしゃるそこのあなた!

あなた「はい…?」

そういうことじゃないんだよ!!!!!!!!!

あなた「いや、でも……黒猫が横切ると不幸になるというのは厳密には違くて、黒猫がいるということは不幸をもたらす魔女が近くにいるという表れであるというのが起源でして……」

いやでもね?今黒猫が横切ると不幸になると信じている人とそうでない人どっちが多いと思います?

あなた「それは確かに、信じてる人が多いかもしれませんが……」

てことはね!信じられていることこそが真実なのよ!あの物語シリーズとか虚構探偵でもぬらりひょんの孫でも言ってたじゃない!都市伝説や怪異は信じられることでその力を増大させるって!!!

あなた「そのあたりがお好きなんですね」

そ、そうよ。なにか問題でもありますの!?

あなた「いや、僕もその作品すごく好きで、特に物語シリーズなんかは最高ですよね」

あなた、知識は偏ってるくせに趣味だけはいいのね!

あなた「はい……お恥ずかしながら……笑」

あなた「そしたら今度一緒にお茶でもしませんか?2人で老倉育の家、事故物件どころの騒ぎじゃないし家賃一体いくらになんだよ、ということについて語り合いたいのですが……」

な、なんでアタクシがオイラーちゃんloveであることを知ってるのよ

あなた「お話ししている感じ、僕と好きなキャラも一緒かな、と思って……」

あ、あなた。やるわね

あなた「えへへへ……………………」

待って

あなた「はい?」

あなたさっきから会話するごとにうんち漏らしてませんこと?

あなた「へ……?」

ほらその「へ」って言った後に!!!!!!(図1参照)


図1:確実にうんちを漏らしている

きゃ〜〜〜!!!!!!!!この方うんちを漏らしてらっしゃいますわ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!

誰か!!!!!誰か来てくれませんこと〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!

通りすがりのうんち漏らしてるやつブッコロマン「お嬢さん、どうされました?」

うんち漏らしてるやつブッコロマンさん!助かりました!あの人、言葉を話すごとにうんちを漏らしてるんです!

通りすがりのうんち漏らしてるやつブッコロマン「おやおや本当だ。こりゃいけない」

あなた「違うんです……!」

通りすがりのうんち漏らしてるやつブッコロマン「口ではそういっても、現にあなた、今もかわいいうさぎさんみたいなうんち、漏らしてますよ」

あなた「そんな………」

通りすがりのうんち漏らしてるやつブッコロマン「詳しいことは僕の家で聞きますから。さぁ、大人しくついてきなさい」

あなた「助けて〜〜〜!!!!!!!!!」

そのセリフを言い終えるや否や、2人は星の輝く空の遠いところへと消えていきました。
それからというもの特に悪いことは起きていませんが、今でもあの日のことを思い出すとゾッとします。

これが私が唯一経験した恐怖体験です。


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