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好きだったんだよ、返してよ

去年の冬からずっとずっとモヤモヤしているあの曲の件について、私はどうやって心を持っていくか、今年に入っても悩み続けていた。
正直なところあの曲が出るまでの熱量はもう無くて、真正面から彼らを見るのもしんどくて、SNSで彼らを見ると何故かいつも泣きそうになった。
ツアーが発表され、ああそうなんだと傍観していたところ、『セットリストにあの曲が入っている』と情報が入ってきてそこから更にメンタルがしんどくなる。

それでも直接見ずに、彼らがどんな風にあの曲をやるのかをこの目で確かめずに好き勝手言うのは違うのかもしれない。
そう思って迎えた2024年6月15日、その日が私にとって最後のライブとなった。


※注意※
・ライブ(Cyber Helix)のネタバレが入ります。
・一部彼らを否定するような文言が入ります。読みたくない方はここでブラウザバックして下さい。
・私は歴史の専門家でも、正確な記録を持っている訳でもないので、主観的な話がメインになります。一部事実と異なる内容があるかもしれません。あらかじめご了承ください。
・今回のnoteは、自分の気持ちを整理するために、自分のためだけに書きました。



去年の冬に配信された「SOLDIER LOVE」を聴いた第一印象は「カッコいい!ランペのこういう曲、待ってた!」だった。
その当時の私はLINEミュージックの再生回数キャンペーンに参加する気まんまんでいたので、配信された0時にすぐ聞いて、感想を綴ったのを覚えている。
同じように配信後すぐ聞いたフォロワーさんの感想も、かっこいい!ランペっぽい!と好意的なものに溢れていた。
その時はまだ歌詞が公開されていなかったので、「早く歌詞も味わいたいなあ」「MVの公開も今から楽しみだなあ」と思ったし、この曲が含まれるアルバムももちろん購入していた。

歌詞公開後、すぐに批判が始まった。
内容はご存知の通り戦争を想起させるもので、見た瞬間直感的に「これはマズい」と感じた。
なんとか早く運営側が気づいて修正(もうこの際サイレント修正でも)されないか?と思ったけれど、公式SNSはそんな素振りさえ見せず淡々と更新されていて…。
さらに下記のような声明がavexから出たことで、音楽番組出演前の修正という道が実質閉ざされたことを知る。

今回リリースした「SOLDIER LOVE」に関して様々なご意見をいただきました。
僕らチームの想いをお伝えさせていただきます。
(中略)
THE RAMPAGEが世界へと挑んでいこうとしている中で、さらにパワーアップして大きく躍動している姿をイメージして、エンタテインメントの力で世界中を元気にしたい!という想いを込めています。

引用元:avex portal「「SOLDIER LOVE」に込めた想いに関しまして」

普段は声を上げない人までもが早く修正した方がいい、もしこの曲調で振り付けまでアウトだったら取り返しがつかないと言っていたけれど、結局、最悪の形で音楽番組に出てしまった。

なんてことしちゃったんだろ、と思ってTwitterを開くと、あろうことか彼らのファンが番組の映像を無断転載している。
そのツイートは一気に拡散され、私が見た頃には信じられない数の引用ツイートがついていた。
よりによってファンの手で、問題がさらに大きくなるなんて。
見たこともないくらい最悪の状況のなかで、特典のために楽曲を聴くなんて本当に本当に嫌だった。
でも今ここで再生を止めたら、貰えるはずだった特典すら手に入らない。
どうするか最後まで迷ったけれど、結局はいつもの通りSOLDIER LOVEをループ再生にして、眠った。

翌朝起きて、昨日までに何回再生できたかをチェックする。と、おかしい点があることに気付いた。
普段なら今再生している曲が表示される「私用ランキング」のところに、SOLDIER LOVEの名前が無いのだ。
楽曲名がなければ、再生回数もわからない。
おかしいなと思ってなんとかプレイリストから探し出し、再び楽曲を再生しようとすると、思いもよらぬメッセージが出てきた。

「この曲は権利元のリクエストにより、LINE MUSICでは聴くことができません。」


実際に楽曲配信が停止されたときの画面
この時、半ばパニック状態で友達に連絡していた

いきなり頭を殴られたみたいな衝撃だった。
ありますか、令和の時代に、そんなこと。
しかも大好きな、「推し」の新曲が配信停止されるなんてこと。
私はあの曲を最初、「カッコいい」と思った。
けれどそれが、配信プラットフォームから"適切でない"と判断されて、配信停止に追い込まれた。


再生回数キャンペーンに参加するとは、どういうことか。曲を「いいね」して、何回も何回も再生して、より多くの人の目に触れるよう拡散に協力すること。それを自分がやっていた事実に気付いて、今すぐ逃げ出したくなった。

彼らは自分たちが生み出し披露した楽曲で何が起こっているのか、理解しているんだろうか。
なぜこの曲について、こんなに多くの人が修正や謝罪を求めるのか。なぜこの曲が各配信サービスで聴けなくなってしまったのか。
それは「楽曲に込めた想い」とは全然違う場所で起きていて、彼らがどんなに心を込めてパフォーマンスしようとも、いや心を込めているからこそ、彼らのイメージをこれ以上無いほど地の底に突き落としかねないことを、誰か彼らに伝えてくれる人はいないのか?

気持ちが地獄の先に行ったまま、年越しを迎えた。
お給料をはたいて買ったアルバムが届いた。
特典付きの高いアルバムを買ったから、メンバーのサインが中に入っていたけれど、喜んで飾る気持ちにもなれなかった。
後日、アルバム購入者のうち限られた人数にしか当たらないサイン会に、あろうことか当選した。
(そのサイン会の実施方法もごたつき、かなり批判されていた)
せめてメンバーの元気な顔を見られればと慌てて有給を取り向かった会場内では、「SOLDIER LOVE」がかかっていた。
怒りと失望と悲しみでぶるぶると震える手を必死に抑えながら、「ありがとうございます」と言ってメンバーからサインを受け取って、そのまま帰って、泣いた。

本当は聞きたかった。
「どういうつもりであんなこと、してしまったんですか?」
けれどファンが集まるサイン会の会場内にあの曲がかかっている時点で、それが答えだと思う。
聞くまでもない。彼らにとっては大切なアルバムの大切な1曲で、配信停止にこそなってしまったけれど、まだまだ忘れられない曲なんだと、少なくとも私にはそう見えた。

その後から、いよいよメンバーのことを見れなくなったし、活動も追えなくなった。
彼らが海外であの曲を披露したとも聞いた。
そしてライブのセットリストにも組み込まれているのを知って、いよいよ失望した。
それでも行くことを決めたのは、去年からずっとモヤモヤしているこの気持ちにきちんとけじめをつけたい、ちゃんと自分の目で今何が起こっているのか、彼らがどんな気持ちでパフォーマンスをしているのか直接知りたいから。


結論から言うと、私は最後まであの会場にいることが出来なかった。
暗転後に本人不在のまま壱馬さんのラップが始まって、わあかっこいい!と思っていたのもつかの間、あの曲のイントロが聞こえてメンバーステージの下からがせり上ってきたきた時、初めて怒りで泣いた。
なんてことをしてくれたの?
よりによって壱馬さんのラップを、しかも反体制的とも取れかねない内容のラップをあの曲への導入として使うなんて。
もともとの曲の問題なんて何も無かったかのようにカッコよくパフォーマンスをする彼らを見て、「ああこの人達は本気でこの曲を『かっこいい、最高の曲』だと思ってるんだ」と感じた。
楽曲が配信されても、振り付けや歌詞を変えればそれで全ての問題が解決したと、そう思っているんだ。
そしてこの会場にいてフラッグを振っている人はみんな、この曲の賛同者になるんだ。
そう思ったらフラッグを振ることもできなくて、ただ震えながら立って、ずっと溢れてくる涙を拭っていた。


耐えられず会場を出ると、まだ誰も観客が出てきておらず、写真を撮り放題だった。
さっきまであんなに並んでいたのに。そのことがとても苦しかった。

あの会場にいて笑顔でフラッグを振っている人や、あの曲をパフォーマンスする彼らを見てかっこいいと歓声をあげる人たちは、曲に何が起こったかなんてどうでもいいのだろうか。
彼らが呼びかける「RAVERS(ファン)のみなさん!」という言葉に、楽曲について反対している私のような人は含まれないだろうし、もし楽曲や活動方針に賛同する人=RAVERSなのだとしたら、私はそこに入りたくない。

こんなの彼らに曲を修正した方がいいと進言した方がバカみたいじゃん、と泣きながら笑ってた、と思う。
彼らはもう立派な大人だ。
メンバーはこれまで何度も、楽曲や振り付けのこだわりについて話してきた。
ライブのセットリストをどうするか悩んでいる姿も見せてきた。
社会人としての経験も積んできた。
その彼らがこの問題に向き合うでもなく、メンバー一人一人が意志を持って声明を出すでもなく、あの曲をかっこいいでしょ!という顔でパフォーマンスしている、それが今の私に見える全てだし、そこに擁護の余地はない。
だから今日で、とりあえずランペからは完全に距離を置こうと思う。

去年のツアー、楽しかったなあ。
BOTライブでの姿もかっこよかった!
もっともっと彼らのかっこいい瞬間を見たかった、沢山応援したかった。
なんで私から"あの"ランペを奪うんだろう。返して欲しい。あんなに大切にしてたのに。あんなに大好きだったのに。

彼らにはもうレッテルがついてしまった。
先日の某アーティストのMVでも名前を出されていたし、グループ名を聞くと「ああ、あの」と言われるグループになってしまった。
彼らがいつかその事実にもう一度、真正面から向き合えますように。
何年かかってもいいから、彼らがファン全員を心から幸せにできる日が来ますように。
読んでくださってありがとうございました。


私の願いはこれだけだった。でもこれも、難しいみたいだった。
私は、多くを望みすぎたんだろうか。

さかき


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