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『折れたポール』(外環篇)Vol.1 外環計画の深層 

外環一般部が和光止まりの理由分析

0キロポストの場所

外環道とぴったり並行して走る国道298号は、古くからの街道が国道に昇格したわけでなければ、旧道に対するバイパスでもない。
"外環"計画そのものが、自動車専用道路と一般部・国道298号の一体なのだ。制限速度は60kmだが、立体交差部が多く渋滞時以外はそれを上回る速度で流れている。

始点は埼玉県和光市新倉の国道254号「和光富士見BP」との交差点。三郷方面への和光北ICの入口付近には、0キロポストが立つ。

和光北入口と0キロポスト
(埼玉県和光市 2023年5月28日撮影)

外環は大泉まで

0キロポストが立つ和光市だが、それはあくまで一般部の話。専用道はこの先大泉まで延びている。
国道指定が途切れると言っても、「外環の側道」としての道はしっかりとある。

和光インターと一般部の分岐
(埼玉県和光市 2023年5月28日撮影)
「川口」の前の表記は何だったのか
(埼玉県和光市 2023年5月28日撮影)

専用部の最初の開通は1994年11月7日で、区間は和光・三郷間。日本の「首都」は東京、その「北部」を貫く国道298号の埼玉県区間を管轄する国土交通省北首都国道事務所の資料を見ると、専用部の開通と同時に一般部298号の同区間が開通したとある。

大泉方面と関越道接続への延伸が1年半後の1996年3月。ほぼ同時期(1996年3月26日)に開通した圏央道鶴ヶ島JCTと合わせて、それまでは関越道は孤立状態だった。
外環道は大泉から丁度良い距離の美女木JCTで首都高池袋線とつながってるから、もう関越道東京区間は不便とは言わせない。

三郷方面から関越道まで、新参者には辛い首都高を使わなくてもアクセスできる自動車専用道路がつながったのは悲願だったはず。
「金かかるんだよ❗」なんて思われるかもしれないが、現状を見れば費用対効果が抜群にいいことはすぐに分かる。

県道和光インター線(序)

だけど、大泉まで延びたのはあくまで専用部の話。側道は少々複雑だ。
国道254号和光富士見バイパスは現道と直接つながっていないが、ちょっと離れた和光インターと密接な関係にある。

あの川口方面を示す矢印の正体
明らかに298号とは様子が異なる
(埼玉県和光市 2023年5月28日撮影)
道路施設の管理者は埼玉県
(埼玉県和光市 2023年5月28日撮影)

和光インターを降りて川口と書かれた青看板に従うと雰囲気が静かな道に出る。柱には「88」という番号と「埼玉県」の文字。

県道和光インター線(国土地理院地図と)

国土地理院地図アプリ「Maps」より引用
赤字は著者加筆
「88」と書かれた県道サインの下に、「和光インター線」とある[B地点]
(埼玉県和光市 2023年5月28日撮影)
行き先表記は"大泉"ではなく"国道254号(川越街道)"
[B地点']
(埼玉県和光市 2023年5月28日撮影)

国道254号現道から和光ICまで延びてきた三郷方面側は、国道298号との接続を待つことなく右へ曲がる。地理院地図を見ていただくと分かるように、[B地点(B地点')]を過ぎると和光インター線は外環の脇ではなく住宅街を貫いていき…。

国道254号バイパス「松ノ木島」交差点
[A地点]
(埼玉県和光市 2023年5月28日撮影)

A地点は国道254号「和光富士見バイパス」の松ノ木島交差点。ここから三郷方面への298号の起点となり、直進は生活道路を介しての国道17号「新大宮バイパス」や254号現道と接続方向。
和光インター線とは、この松ノ木島交差点の先でぶつかることになる。

「和光インター線」を名乗っていながら、外環の脇を通らずにわざわざ迂回して住宅街を貫いているのだ。

外環道・新倉PA
[C地点]
(埼玉県和光市 2023年5月28日撮影)

側道を歩いていくと、右側に見えてくるのが新倉PA。このPAは上下線の行き来が可能で、だから混む(トラックで2回くらい寄ったけど満車だった)。


2020年に調布市で外環トンネル掘削による道路陥没があり、反対運動が加速した。
2014年の段階では東京五輪までに東名まで繋げる目標だったらしいが、それどころではない。

首都高と関越道はつながったのはいいけど、やっぱりそれだけでは東名へ行く車は「大混雑の環八」か「渋滞・高い首都高」の2択を選ぶ以外にない。

外環全通はいつになるのか。
いや、それ以前に外環一般部は和光で途切れている。この事実をどうみればいいのか。

   『折れたポール』(外環篇)Vol.2へつづく




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