中学・高校球界の諸悪の根元

中学硬式、神奈川の強豪高校と息子が野球をしてきた。いろいろあったし、いろいろ見てきた。

現在の高校野球を批判的にみる風潮は決して悪くないし、私も批判的な見解を持っている。 ただし、そういった論調の書籍と比較して、私が思っている中高球界の諸悪の根元は「親」、次に酷いのが「高校野球ファン」だ。その次の悪はせいぜい「OB会」、取り沙汰されている指導者はその後くらいの悪さである。

中学硬式野球で出会った親、主に息子と同期の親になるが、大きく分けて以下に分類される。

1. 自分が高校野球をやっていた元球児の父親:

この親父の手に負えないところは、自分の球児時代が抜けていない、もしくは自分はやってましたアピールが酷く、グランド整備に率先してトンボ掛けやボール拾いをしだす。 当たり前だが周りの親は「こいつ現役球児かよ」的な冷ややかさを秘めながらも、トンボ掛けをしないと非国民だぞ的な雰囲気にその場がなるので、皆でトンボ掛け、挙げ句の果ては父親同士のトンボ争奪戦が始まる始末。こっち系の親父は自分が「竹を割ったような性格、まさに高校球児」キャラをアピールしてくるめんどくさ系カマチョ親父である。一方で野球は大した技術や理論の確立も成していないため、学童野球の監督などを兼務して、なぜか息子の同期の子供を選別したがる。 他の親に若干上から目線でくることも特筆すべき難点だ。


2. 高校野球ファンの母親:

高校時代の彼氏が球児だったのか、球児に相手にされなれなかったからなのか定かではないが、息子専任の女子マネと化す母親がいる。息子がスタッフにしばかれている時には涙を浮かべながらテントの影からジッと見つめ、試合では何故かスコアブックに記入しだす。卒団試合では案の定、号泣だ。頼んでも無いのに父親達にホット昆布茶を用意したりと「高校球児系父親」と同様、ご本人の思春期が30年経っても根強く残っていて、私はよく距離を置いていた。 この親の問題点は息子が好きなのではなく、球児を応援する自分が好きなだけなので、息子と進路先の高校を客観的に見れないという致命的な側面を持っていることだ。 進路希望に地方の甲子園常連校を「憧れの高校」と題し恐れもなく記入してくるところにこの方々の闇がある。


3. 野球ファンの父親:

野球ファンの父親は「野球ファンの母親」とは別の性質をもつ。 この方々はとにかく地域の野球事情に詳しい。 あの子はあそこの学童で3番を打ってたとか、どこのシニアの体験入部に参加してたかとか自分の息子に関係が無い地域野球事情に妙に詳しい。 そして何故か子供は野球があまり得意では無く、息子に自信を持っていないし、息子に強いアプローチをかけない。 強いチームに入れば息子は上手くなると思っているのか、息子は強豪チームに入っていると自分を納得させたいのかわからないが、対戦相手の子供のプロフィールまで紹介してきた時には流石に「この方は何狙い?」という不審顔が表に出てしまったのではと肝を冷やした。


4. 放置父母:

 実は圧倒的に多いのが教育熱心に見えて実は放置を決め込んでいる親である。「キャラ」としては、異常に低姿勢で、スタッフにペコペコするが、審判などの親の役割は「仕事」を理由にあまりこなさない。 つまり低姿勢で礼儀正しいが何もしないのである。 この方々の力点はどこにあるのだろうと在籍期間いつも気になっていたのを覚えている。 息子の進路先も強豪校というよりは中堅校だ。 息子さんもっとやれるのにと思ったことがよくあった。 

どの親も個性派揃いであるが、共通しているのは勉強をさせないことだ。それ自体、悪では無いが、子供達の中3の成績が以上に低いのに「こいつ勉強しないんですよ」、「うちはアヒルだよ(成績オール2のこと、2がアヒルのシルエットに似ているため)」などのアホ合戦が始まる始末だ。その背景には自営業主が多いこともある。 つまり高校を卒業したらそのまま親の家業をつぐのである。 プロに行けたらみっけもん。特待で大学にいければラッキーくらいの感じだ。 しかし大学進学は「ラッキー狙い軍団」が思うほど甘くは無い。特待やAOで入っても「一般受験組」からするとカレッジカーストは低く、勉強にもついていけないという二重苦と、さらに大学の野球部に馴染めないとなるとその子の大学生活は非常に厳しいものになる。 

子供が自分で選んだ道とこういう親は言うが、全ては親のせいなのである。

高校野球ファンの悪態については次回。



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