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らんぼうものめ、開幕します

こんにちは。
こんにちは。
明日、7月20日から、KAATキッズ・プログラム2024『らんぼうものめ』が開幕します。

場所は、KAAT神奈川芸術劇場大スタジオ。
8月4日にいわき公演、
8月17日と18日に松本公演もあります。





※お越しいただく予定の皆さまにおかれましては、ネタバレはないけど、フラットで新鮮な気持ちでご覧になりたい場合、閲覧注意です。



加藤さんがお子さんに捧げる物語。
珍しいことというか、もう二度とないのでは。
大人も勿論、楽しめることと思います。

KAATラジオで安藤聖さんがおっしゃっていたけど、親子でご観劇にいらっしゃったら、
それはもう会話が弾むこと請け合いです。
ぜひ遊びにいらしてください。


チケットご好評につき、
7/24(水)15:00回の追加公演が決定しています。

獅子奮迅の加藤さんの新作ということで、もちろんその部分でもご注目いただけるかもしれないですし、大人も楽しめるかと思うのですが、お子さんにぜひご覧いたたきたいです。
対象年齢は6歳以上からです。


加藤さんは今までの劇作(特に劇団公演)でも、意識的に(無意識とインタビューでは言ってたけど)、あらゆる暴力や心のなかの闇を扱ってきたように思いますが、タイトル『らんぼうものめ』とあるように、今回もそういった部分はありつつも、主演の鞘師理穂さんの絶妙な軽やかさとポップさとチャーミングさ、くわえてファンタジーの世界ということで、味わいがまた違って、ひろく楽しんでいただけるかと思います。


僕は、子どものときに観た劇のことを何故だかぼんやり覚えています。
それは、あんまり面白くなかった(!)記憶があります。
大きな声で、いったい何をやってるんだろう?🤔
恥ずかしくないのかな?🤔
あの変な服は何なんだろう?🤔
ゲーム(主にゼルダ)の方が面白いな?🤔

でも、そのときは、
何をどう面白く思えばいいのか分からなかったんだろうなと、今になっては思います。
当時は、テレビやメディアに一方的に与えられすぎていて、受動的な楽しみ方しか知らなかったんだろうなと。
想像力に蓋をされていたのかもしれません。


今は、分からないことも、分からないということそれ自体が面白かったりするということも、ぼんやりと感じられます。
今回も、お子さんの新しい体験創出に繋がればと思います。


チケット、発売中です。
おとな1人より、
おとな1人+子ども1人の方が
チケット代が安いです。

お席が、かなり少なくなってきています。
さまざまな趣向が凝らされていて、夏の思い出にもぴったりかと思います。
夏休みに、あらゆるダルさから避難出来るところが劇場だったりするかもしれません。

人生には、苦難や分からないことや理解不能なことや気持ちの悪いことも、たくさんありますね。

劇場は、いったいどんな場所なんでしょう。
開かれた光あるところなのか
閉じられた暗闇なのか。




主演の鞘師理穂さんは、真っ直ぐで謙虚でひたむきで、どこか軽やかで、きっと優しい心の持ち主なんだろうなあということが、言動のひとつひとつから、折に触れて伝わってきます。挑戦の道をご自分で選んできた方だからか、今回の作品もきっと大きな挑戦なんだろうなと思います。もう顔馴染みのメンバーが多い中で、くだらない話が展開されていても、微笑みながらその場にストンと存在してくれています。鞘師さんが白石和彌監督と『十一人の賊軍』でご一緒されている縁があるにしても、稽古初日に「『碁盤斬り』観ました!」と言われると、誰だって嬉しいです。柔らかく稲穂のように魅力的。
安藤聖さんは加藤さんのドラマ『滅相も無い』で初めてご一緒して、もともといくつ出演作を観てきたか分からないぐらいお客さんの立場からお芝居を観てきていますが、このお芝居でも、姉御肌でありながら飾らないし丁寧だし、周りを細かくよく観ていらして、言葉もちゃんと選ばれていて、豪快で正直で本当に素敵です。今回、公認のソウルメイトになりました。他人の夢を勝手に書くのはどうかなとは思いますが、いつかお子さんに向けたお芝居の場所を作りたいと思ってらっしゃるらしく、実現してほしいなと思います。
金子岳憲さんとは、これでお芝居は『ルーツ』『ドードーが落下する』に続き、3作目の共演ですが、毎度さまざまなことを発見していく旅人・流浪人のような方で、アイディアが豊富で、経験値の違いとはこういうことかと、毎日稽古で圧倒されていました。その上、自由なムードだから、こちらも警戒しないで接することが出来る。頼りになる方だし、沢山の演出家に求められる理由が、よくわかります。歴戦の志士。ビールがお好き。「ビールのCM、似合いそうですよねー」と言ったら、「ああいうのは売れてる芸能人しかやれないんだよ」と言われ、赤裸々で本当に生活者の方だなあとNINAGAWA STUDIOも感じさせてくださる発言と居方。
近藤隼さんは初めまして。安心感もあって包容力があって、声も魅力的、いつもにこやかにされていて、自発的に色んな動きを細やかにされていて、あらゆる順応力が高く、イマジネーション豊か、さすが串田和美さんと長くやられていた歴史を随所に感じさせます。サッカーがお好き。この作品でも、色んな顔を見せてくださいます。接していて気持ちの良い人は、演じていても気持ちの良い人。隼さんのボイススタンプが欲しい。各所、動けませんか。需要があると思います。芝居と演劇がとてもとてもお好きなことが漏れ出ています。
秋元龍太朗くんとは長い付き合いになってきたけど、最近は、つねに新境地を開拓していて、加藤さんの劇言語を華麗に操っていて、やはりいつも通り頼もしい。よく一緒に帰っている。結婚して落ち着きを得ている。本来持っている人柄の良さが魅力よ。
高田静流さんは献身的かつ真面目かつ能動的。モダンダンスをやられているだけあって身のこなしがひとつひとつ美しく、座組みにいたらそりゃあ嬉しいよなあという存在です。彼女もまたやさしく逞しい。劇団を新しく立ち上げられたらしくて、気力旺盛。稽古期間中に、HP作ったり、ダンスのレッスンにも通ったりしてたんだって。パッションをいつも感じられるし、とても人想い。勉強家。稽古当初に教えてもらった、ある文章の言葉が、心にゆっくり残っている。上演は誰に向けられているのかについての思案。そういうことを考えるのは、僕も好きです。


以上、愉快なメンバーでお送りする冒険劇、
『らんぼうものめ』。




稽古場は、柔らかな談笑の空気と、張り詰めた空気が行き来していました。



スタッフワークも抜群です。
インバル・ピントさんや名だたるカンパニーでお仕事をされている照明のヨアン・ティボリさんはフランスの方。色彩美。陰影。ダークさとドープさ、光の鮮やかな移り変わりがたまらない。
音楽を手掛ける加藤訓子さんは世界を股にかけるパーカッショニスト。奇妙なのにポップで耳から離れない。オーダーに完璧に応えている。
衣裳デザインの駒井友美子さんは、SPAC静岡芸術劇場に2010年から活動されている方。イメージの具現は、きめこまやかさの中からしか立ち現れない。
舞台美術の山本貴愛さんは、加藤さんと何度目かのタッグで、今回の美術も美しい。気品を感じさせてくれます。
ヘアメイクの谷口ユリエさんの独創性たるや。僕の顔はどこからどうやって、ああなったのだろう・・・?
演出部も音響チームも、理解の深い馴染みのスタッフチームもいながら、ボーダーレスな座組みになっているのが、とても楽しい。
いつもの劇団た組とも、まったく違います。




子どもの頃に戻って、僕が観たかったなあという公演です。
それは叶わないけれど。


公演日数がさほど多くはないので、
もしかしたらこれは言い伝えられてゆく、
伝説の公演になるような気がしてきました。
よろしければ、ぜひお越しください。


この期間は、きっと灼熱の日々です。
みなさま、どうぞ熱中症や熱射病など、お身体にはくれぐれもお気をつけて。



いつも僕も観たい舞台や映画が沢山あるけれど、体調、財布の事情、スケジュール、天災、人災、興味の範囲、様々なあらゆる苦しい事情で、それが難しいことが、しょっちゅうです。
そんな方々の、宙に浮かぶ念も、勝手に受け取らせていただきます。


トップ写真は、『らんぼうものめ』チームを撮ったフィルムの現像が間に合っていませんので、大千秋楽で訪れる松本の景色でした。
久し振りにこういうのをインスタグラムの文字数オーバーぐらいに書いたら、パーソナルではない、やや公的な文章になっちゃった。
まあいいか。
迷うなあ。

この間、僕の文章を沢山読んでくださった初めましての読書家の方に、「書き続けた方が良いですよ」という励ましの言葉をいただきまして、そこからまた気力が湧いてきました。


明日、初日ですね。
どうぞ宜しくお願いします。




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【タイトル】
KAATキッズ・プログラム2024『らんぼうものめ』

【作・演出】
加藤拓也

【出演】
鞘師里保/安藤聖/金子岳憲/近藤隼/秋元龍太朗/中山求一郎/高田静流

【会場】
KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>

【日程】
2024年7月20日(土)~7月28日(日)

7月20日(土)14:00
7月21日(日)11:00◎/15:00
7月22日(月)休演日
7月23日(火)11:00/15:00
7月24日(水)11:00◎/15:00
7月25日(木)14:00◎
7月26日(金)休演日
7月27日(土)11:00/15:00◎
7月28日(日) )14:00

※開演の30分前に開場いたします。
◎=託児サービスあり。公演1週間前までに要予約・1人2,000円(マザーズ:0120-788-222)



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