【今更聞けない用語解説】中所得国の罠
現在、noteに何を書くか模索しているところですが、新シリーズを始めてみようと思います。
タイトルの通り、報道などでよく耳にする言葉を、誰にでも理解できるようにコンパクトにまとめて紹介する企画です。
学術的に深く掘り下げるわけではなく、「話題に出た時にふんふん頷けるくらいに知っておきたい」「ふんわり理解しておきたい」というニーズに応える内容を目指しています。
初回は、「中所得国の罠」。中国やインド等新興国の報道がされるときというこの言葉が頻繁に出てきますよね。
「中所得国の罠」とは、国が貧しい状態から少し豊かになった後、さらに豊かになるのが難しくなる現象です。
途上国は最初は安い労働力や資源の輸出で経済が成長しますが、ある程度の所得(=中所得国)に達すると、それだけでは成長が続かなくなります。
新しい技術や産業の発展、人材の育成が進まないと、国は高所得国になることができず、中途半端な状態で停滞してしまいます。こんな感じに↓
中所得国の罠に陥った有名な国としてはアルゼンチンなどですかね。中所得国の罠の原因はさまざまですが、以下のようなものが代表例として挙げられます。
産業構造の転換の失敗
中所得国は、主に農業に依存していることが多く、これらの産業から製造業、サービス業等の高付加価値産業への転換が遅れることがあります。教育とスキルの不足
労働力の教育水準が低い場合、高度な技術や知識を必要とする産業に移行することが難しくなります。政治的・経済的な不安定性
政治的な不安定性や腐敗が経済成長を妨げ、投資環境を悪化させることがあります。グローバル競争の激化
他の国々との競争が激化する中で、競争力を維持することが難しくなります。
中所得国の罠の原因としては以下のようなものが考えられています
経済成長の鈍化
中所得国は、成長が鈍化し、経済の停滞に陥ることがあります。
貧困と不平等の拡大
経済成長が鈍化すると、貧困層が増加し、社会的な不平等が拡大する可能性があります。
社会的な不満の増加
経済的な停滞は、社会的な不満や不安を引き起こし、政治的な不安定性を助長することがあります。
それでは、「中所得国の罠」からどのように抜け出すことができるのでしょうか。様々な見解がある中で、世界銀行は自身のブログにおいて、以下の3段階の戦略を提案しています。以下引用。
世界銀行はブログ内で、韓国が「中所得国の罠」から脱却するために、3段階の戦略を実施した国であると紹介しています。また、その過程でサムスンの台頭等が重要な出来事として言及されています。
現在、中国やインドも「中所得国の罠」から抜け出すために官民挙げて奮闘していますが、やはり同じように3段階の過程を経る必要があるのかもしれません。
民主主義国であるインドは、時間がかかるとしても同様の道をたどる可能性が高いですが、社会主義体制の中国がどのような道筋をたどるのかは非常に興味深いところです。
以上で「リスキリング」の説明は終了です。ご不明な点や共感できた点など、ぜひお気軽にコメントをお寄せいただければ幸いです!また、もしこの記事を読んで難しいと感じた方は、下記のリンクから別記事「中学2年生でも理解できる用語解説 中所得国の罠」をぜひご覧ください。
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