食品添加物は生産効率や食の好みに合わせるのに必要不可欠
食品添加物を取らないようにする。
なぜ、体に悪いのに食品添加物を入れるの?
というように、「食品添加物=悪」という意識が強くあると思います。
麺生産を生業にしている者の立場で解説したいと思います。
賞味期限の期間延長による効率的な生産目的
なんといっても1番の目的は賞味期限の期間を長くすることです。
現在の食品表示法では賞味期限又は消費期限の記載義務があります。
お客様が商品の鮮度を判断する1つの目安となっているため、できる限り長めの期間を表示できるようにする工夫の1つです。
働き方改革や有給休暇5日取得義務など、従業員の働く環境の整備のためもあります。
消費期限、賞味期限がある程度あれば効率的な生産計画を立てることができます。
作る食品の名称が特定の食品添加物を使用することが規定されているから
麺生産者ですのでスーパー等に並ぶ生ラーメンを例にしたいと思います。
ラーメンはかんすいを使って作ります。
スーパー等にある生ラーメンのパッケージの名称には「生中華めん」と記載されているはずです。
生めん類の表示に関する公正競争規約の第2条4項によると
この規約で「中華めん」とは、小麦粉にかんすい(唐あくを含む。)を加えて練り合わせた後製めんしたもの又は製めんした後加工したものをいう。
とあります。
つまり、かんすいを使わない麺を中華めんつまりラーメンという名称で販売できないのです。
食感などをお客様の好みに合わせるため
ここでもラーメンを例にしたいと思います。
私の地域ではもちもちした食感の太めのラーメンが好まれます。
そのため、水分を保持しやすく、成形後の製品の食感を保持する効果があるソルビット(ソルビトール)という食品添加物を使用しています。
使用しない場合、水分量などで麺の固さは調節できますが、
・茹で伸びしやすい
・コシが無い
ラーメンになりやすくなります。
作りたい麺にならず、品質の安定化が保たれません。
ソルビット(ソルビトール)の効果をイメージするには、
コンビニスイーツのもちもち触感のケーキ類に入ってることが
多いのでコンビニに行った際は食品表示を確認してみてください。
もう一つの例です。
私の会社では水分量の多いもちもちなラーメンを作りやすい設備になっています。
博多ラーメンのような水分の少ない麺を作ることは難しいです。
私の会社の設備で作ろうとする場合、
・出来る限り水分を少なくする(博多ラーメンよりは水分量は多い)
・加工デンプンを食品添加物として加え、コキコキとした歯切れの良い食感にする
というように食品添加物を使って食感を変化させる方法を取らざる負えないと思います。
まとめ
食品添加物自体が体に良いものだとは思いません。
大量に摂取すれば当然、害になります。
しかし、現在の多種多様な食品が生み出された背景には食品添加物の使用が必要不可欠だったと思います。
食品添加物すべてが悪いと全否定するのではなく、
調理する際に避けられる食品添加物と避けられない食品添加物を考え、
上手に付き合っていく必要があるのではないでしょうか。
例えば、自宅でラーメンを作る際、ラーメンのスープに冷や麦や細めのうどんを使ってラーメン風うどんみたいにすればかんすいを取らなくて済みます。
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