経産省さん、新型コロナウイルス対策のガイドライン求む

新型コロナウイルス感染症COVID-19についての情報をお求めの方は、厚生労働省の情報ページか専門家の情報をフォローしてください。私は専門家を紹介する立場にはありませんが、例えば以下の方などが穏当かと思います。
・押谷 仁(東北大学
・高山義浩(huffpost記事一覧
・岸田直樹(@kiccy7777
筆者は医療や行政法の専門家ではありません。単なる素人の感想なので医療情報としての信頼は置かないでください。本文でも伝聞調で「ようだ」が多用されていますが、それだけ信頼性がないということです。基本的に自分が納得するためだけに書いたものであり、他者を納得させるために書いたものではありません。

新型ウイルスの「癖」

今回の新型コロナウイルス騒動では、専門家から「感染させる人数に大きなばらつきがある」「大量感染させる人と、再感染させない人に分かれる」ということが指摘されている。厚労省公式発表(専門家会議)と、高山義浩氏のfacebookでは、ヒストグラムと線グラフではあるが同じ趣旨のグラフが掲載されている。

これをもう少し卑近に図解すると、以下のように表現することが出来る。

コメント 2020-03-03 221837

この分析に関してはいろいろ議論ももあるようだが、以前から論文を追っている方の話によると、中国から上がってくる複数のレポートでも以前からレポートごとに再感染させる人数のばらつきが多いそうである。

また、これは素人である私の考えだか、既知の感染者では満員電車での通勤や新幹線での移動、高速バスでの移動など、インフルエンザであればもっと大量に感染させていてもおかしくない状況を経験していながら、それを原因とする大量感染が現在のところ見られないということは気になっており、専門家会議の考えは私の疑問に対する回答となることから、私個人としては信憑性が高いと見ている。

専門家会議は、この傾向から、「大量感染が起きる少数のシチュエーション」を潰すことで終息させられる可能性を模索している段階にある。

どんなシチュエーションで大量感染が起きるのか

過去大量感染が発生したのは、クルーズ船内、スポーツジム(名古屋市や千葉市の事例)、都内の屋形船(や北見市の展示会→懇親会)、大阪府のライブハウス、そして病院(特に感染リスクが高いと指摘されているなどである。これらに共通する特徴として、専門家会議は以下のような条件を考えている。

感染源が密閉された(換気不十分な)環境にいた事例において、二次感染者数が特徴的に多い
……風通しの悪い空間や人が至近距離で会話する環境は感染リスクが高い
――厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

また別の観点からの分析として、高山義浩氏は従前から感染ルートが接触感染に偏っている可能性を指摘していた。

空気感染しているのであれば、もっと爆発的な感染拡大となるはずです。飛沫感染が効率的に起きているのであれば、動き回る「人」により拡大するので、クラスターとしては捉えにくく、より漠然とした地域的な流行を私たちは経験するでしょう。一方、接触感染は固定された「場」において発生するので、施設とか、事業所とか、病院といったクラスターを私たちは捉えやすくなります。
まだ決めつけるべきではありませんが……
――高山義浩 facebook

まだ確実にそうだとは言えないが、現在のところこの2点――すなわち「密閉空間(で会話などが多い)」「接触感染(共通のものを触ることを媒介とする)、次いで飛沫感染」という2つのルートを重点的に遮断することに意味はあるだろうと考えられる。さらに私個人から加えるとすれば、③喋る、叫ぶ、汗を拭く等で飛沫が共有物に飛んだり物につきやすい状況にある④その場で飲食する(手についたウイルスを粘膜に接触させる可能性がある)、という2条件を加えても良いかと思っている。これらの条件はどんな感染症でも感染ルートとなるものであるから、対策して損はないのは確実である。

自粛させられる前に対策する

専門家会議の指摘は、過去の事例からいくつかの業態――スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント――を(風評が悪化すること覚悟で)名指しして指摘した。

密閉空間+接触感染(共有物の使用)が両方みられるものとしては、ほかにカラオケ(特にマイクに飛沫が飛ぶ)、ゲームセンター、ライブハウスなどがある。また屋形船などの事例から、会食も(一皿をシェアしたり大皿をつついたり、テーブルを囲んで喋るなどして)食べ物を通じた感染が起きやすい状況にある。これらの業種では、この数週間の売上の低下は想像を絶するもので、先行きを危ぶむ声も多い。

これらの業態が存続していくには、自粛しろと言われる前に自分たちで対策を行って感染リスクを下げることが大事である。また、新型ウイルスの拡散は世界に広がっており、一時しのぎの対策ではなく恒久的にもなることを踏まえた対策が必要だろう。最近回転ずしが回転を止めるといった発表があったが、それもその一環だろう。Jリーグやプロ野球は死活問題であり、以前から専門家を招いている。

店と客の信頼のために:ライブ対策リストの必要性

さて、自主対策しようといっても、店側としては「どういう条件をクリアすれば対策したことになるのか?」ということが確信が持てないとならないだろうし、客側としても「どの程度対策してあれば安心していけるのか?」ということの基準が欲しいだろう。

現在のところ、求められるのは経産省と専門家が協力してパンフレット形式の対策リストを作ることだろう。リストと言っても単に列挙してあるのではなく、大原則の説明から個々の応用事例への列挙に展開していかなければならない。また、業態によって固有のノウハウもあるだろうから、対策リフトもフィードバックを受けて常時更新されなければならない。

まず経産省が媒介となり、感染症学会と協力しつつ、チェーン店を運営する大手企業をまず事例としながら事例集・対策リストを作り、順次中小企業や個人店に展開していく、という経路が良いのではないかと思われる。また、充実してきたら保健所のチェック項目に展開するものあり得るだろう。

というわけで、経産省、今が動くフェーズだ、できれば厚労省とも強調してほしいが……というのが私の主張である。


おまけ

さて、私としては専門家と企業でちゃんと作ってほしいと願っているところだが、自分でも(専門家ではないので不確実だが)自己流チェックリストを作っているので、それをおまけとして追記する。

・換気を十分確保する。必要なければ屋内にはしない。
・多くの人が触る共有物(例:ドアノブ)はこまめに消毒
・客に入店時手洗いさせる、マスクなどをお願いする
・使い捨て出来るものは使い捨てに切り替えて物の共有を避ける
・やむを得ない場合手袋も考慮。
・高リスク業態では風邪気味の方の退店もお願いする
・残業続きで睡眠不足+食生活の荒れは感染リスクを高める。働き方改革はそのまま新型コロナウイルス対策でもある。

飲食店向け
・大皿を廃止し、一皿をシェアしないよう規制、回し飲みも禁止に
・紙ナプキンで口を覆うなどしてしゃべることをエチケットに

スポーツクラブ等(スポーツ指導者含む)
・風邪気味なら利用拒否
・手洗いは高頻度で
・みんなで同じものを触るのを避ける、原則1人1つで共有物はこまめに消毒
・タオル等を貸し借りしない。1人1道具を順守する。
・回し飲み絶対NG。1人1ボトル、水筒は使うごとに洗剤で洗う
・なるべく屋外か換気。現状ジムの閉鎖空間、共有器具は危険。
・心肺負荷の追い込みトレーニングは今は我慢して減らす。
・オープンスペースか自室で自重トレ中心に。
・唾液など体液が飛んだり何かに付着する状況を避ける。

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