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『暮色に包まれた中で四季咲きのような恋をした』青春恋愛小説

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【あらすじ】中村沙耶は優柔不断で、山本翔平は不器用だった。亡き父に憧れて、建築家になる夢を抱いている高校三年生の沙耶は、校内の大学推薦枠が取れずに落ち込んでいると、同い年の不動産… もっと読む
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記事一覧

『暮色に包まれた中で四季咲きのような恋をした』第1話

【あらすじ】 中村沙耶は優柔不断で、山本翔平は不器用だった。亡き父に憧れて、建築家になる…

『暮色に包まれた中で四季咲きのような恋をした』第2話

【2002年】  年が明けての一月に大学入試センター試験と一般入試をやり切った直後の私は、燃…

『暮色に包まれた中で四季咲きのような恋をした』第3話

【2004年】          街路樹の葉先が色づき始め、季節は暑苦しさの記憶だけを残して…

『暮色に包まれた中で四季咲きのような恋をした』第4話

【2006年】 「まさか本当にコンペに勝つなんて思いもよらなかったな。たった二年でよく頑張っ…

『暮色に包まれた中で四季咲きのような恋をした』第5話

【2010年】  青空が広がり心地良い風が吹く中で、私達が設計した幼稚園のオープニングセ…

『暮色に包まれた中で四季咲きのような恋をした』第6話

【2011年】  やはり日本という国が、如何に世界各国と比べて恵まれているかを帰国する度に感…

『暮色に包まれた中で四季咲きのような恋をした』最終話

 【2024年】  主婦の朝は慌ただしい。  六時に起きて歯磨きや洗顔とスキンケア。洗濯機のスイッチを入れると、朝食と弁当の準備をしながら小学生四年生の娘を起こす。娘が洗面所で歯磨きと洗顔を済ませて戻ってくると、娘の着替えを手伝いながら私の着替えも済ませる。  その頃に翔平くんが起き出して朝シャンを終えると、リビングに戻ってきて三人で朝食を摂る。 「ママ、今日もちゃんと歯磨きやったよ」  食事を済ませて歯磨きを終えた十歳になる娘の紗枝が私の所に来て歯を見せにきた。食