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前期高齢者作家の昔話

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子供時代、学生時代、結婚前の恋、今は亡き両親のこと… 70年近い人生の様々な思い出を書き綴ります。
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#エッセイ

美しき愛人

「愛人」という立場の女性に、人生で何度か出逢っている。 最初の出逢いは十九の時。高校を卒…

桐衣朝子
3年前
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台風とバービー人形

台風10号が近づいている。今までこんなにも台風を恐れたことはない。ニュースを見るたびに心臓…

桐衣朝子
3年前
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檀ふみさんの想い出

 大昔のことになるが、檀ふみさんには何度もお会いしている。だけど、ふみさんは私のことをご…

桐衣朝子
3年前
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ものすご〜く恥ずかしい経験

私がまだうんと若い頃。結婚を約束していた謙也(仮名)というボーイフレンドがいた。夏のあ…

桐衣朝子
3年前
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少年院の想い出

今から六十年も前のことだ。父は法務省の役人だったが、本省にいた期間は短くて、勤務先は主に…

桐衣朝子
3年前
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いじめ

「イジメ」という言葉を聞くと、いつも胸がざわつく。 いじめている側への怒りと、いじめられ…

桐衣朝子
3年前
7

ダメンズウォーカーという病

小学校から高校を卒業するまで、私は決してダメンズウォーカーではなかった。たいてい女子に一番人気のある男の子を好きになっていた。 初恋は小学一年生の時。相手は一つか二つ上のシュンちゃん。 「少年ジェット」ごっこをする時、シュンちゃんはいつだって少年ジェットで、私を悪者から救い出してくれた。 小学五年生の時、北海道から東京の小学校に転校した初日に一目惚れしてしまったのは、桜井君。今でもはっきりと顔を思い出すことができる。整った綺麗な顔で、すらりと背が高く、女子のほとんど全員が憧れ

失恋というチャンス

 私は二十二歳の時に、中学校の同級生と婚約した。親同士も話し合って翌年の春頃に結婚式をあ…

桐衣朝子
3年前
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