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理系科目は人手不足

当たり前の話ですが,教材には数学や理科といった理系科目のものもあり,理系科目の教材編集という仕事があります。ただ,教材編集の業界では,理系科目の教材編集者が人手不足です。

人手不足の原因

人手不足の原因のひとつとして,大学の理系学部の学生に教材編集の仕事が知られていないことが考えられます。理系学部の学生が就職先を検討するとき,教職などの教育関係の仕事を目指す人はいても,教材編集の仕事を目指す人はなかなかいないようです。理系学部の学生にとって,教材といえども編集の仕事は別世界の話なのかもしれません。私も,大学時代に教材編集という仕事があるのを知りませんでした。

理系学部出身ではない人が担当することもある

小中学生向けの数学(算数)・理科教材の編集者の中には,理系学部出身ではない人もいます。小中学生向け教材の制作では,高度な教科知識よりは教科書の内容に精通していることが求められますし,義務教育で数学(算数)・理科を学んでいるので,人手不足もあって,出身学部に関係なく数学(算数)・理科教材の担当になるのかもしれません。そのせいか,「溶解度を無視した食塩水の問題」など,教科知識があれば防げそうなミスの話をときどき聞きます。

高校物理は人手不足

あと,人手不足の話をよく聞くのが,高校物理の教材編集者です。大学時代に物理学や工学を専攻していた人は,多くが物理だけでなく数学も得意です。教材のアイテム数は物理よりも数学のほうがずっと多いため,大学時代に物理学や工学を専攻していた人は数学担当になり,物理担当が人手不足になるようです。そのおかげで,私(中村)はさまざまな版元(出版社などのこと)から仕事を受注できているようです。

中途採用で補充する

理系科目の教材編集者は人手不足ということもあり,中途採用で別の職種から転職してきた人がけっこういます。私もその一人ですし,私が教材編集者になって最初に配属された部署(高校理科セクション)は,私以外のメンバー5名のうち3名が中途採用でした。採用は新卒のみの会社もあるものの,転職サイトでは,数学・理科教材編集者の中途採用をときどき見かけます。

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