ドーナツとカフェオレ

高校生の頃に2〜3ヶ月に1回最寄り駅の手前で降りる時期があった。

1つ手前の駅で降りて向かう先はミスタードーナツ。その店舗は広い店内にイートインスペースがありとても快適だった。そこの端っこの席が私の特等席だ。お気に入りのドーナツを1つか頑張りたい日は2つ選んで、温かいカフェオレと一緒に注文して席につく。私は苦手分野の教科書を取り出し必死にテスト範囲の勉強を始める。

そう。その2〜3ヶ月に1回というのは毎回のテスト期間だ。大嫌いなテスト勉強を頑張るからという口実に大好きなドーナツを食べながら勉強する。相棒はカフェオレ。周りのおしゃべりをBGMに必死に叩き込む。そんな迷惑なお客のひとりだったであろう私にもその店舗のスタッフの方は優しかった。カフェオレがなくなるタイミングで毎回おかわりをつぎに来てくれる。迷惑な顔1つせずに毎回笑顔で来てくれるその行動に私は何度も「勉強またがんばろう」と思えた。

何度も通ってると顔を覚えてくれたのかある時「勉強頑張って下さい」と声をかけられた。誰かが自分の頑張りを見ててくれてるということがとても嬉しかった。その日はなんだか嬉しくて家にお土産としてドーナツを家族分買って帰った。

その恒例行事とも言える毎回のミスタードーナツでの勉強の回あってか私は希望の大学の学部に入り今年度卒業し来年からずっとなりたかった職業につく。

私の青春の一部のミスタードーナツ。きっと社会人になっても元気になりたいとき・頑張りたいときずっとお世話なるだろう。