良い人
ここにいる多くの人は良い人でありたいと思うだろう。しかし良い人である以上、上には上がれないということをみんなうっすら気づいているはずだ。
PRODUCE101 JAPANという番組があったのを知ってるだろうか?101人の一般の男の子たちがアイドルになれる11人の枠に入るべく切磋琢磨していく物語だ。それを見ていても実感するのが皆にとっての良い人は絶対にセンターやメインにはなれないのだ。なぜなら彼らは良い人だから。俺がやるんだ・やりたいんだという我を強く持ってる人に譲ってしまうから。結局最後に目立てる・勝てるのは自分が強い人なのだ。
そんななか35人に残るための順位発表の前、コンセプト評価の練習の際に普段譲ってばかりの男のが珍しくセンターに立候補した。彼は言った。「人に譲っていたら上には上がれない」彼はそれまでの過程ずっと人に譲っていた。センターを譲り、パートを譲った。そんな彼はとても良い人だった。譲ってもらった人にとっては。しかしそれは他人にとって良い人なだけで自分にとっては良い人ではない。人を蹴落さなくても自分が上に行かなければ順位は上がらないのだ。見ていて痛いほど私は彼を気にしていた。なぜ実力もあるのにいつも譲ってしまってるんだろう?立候補してセンターに立てれば分量も増えてもっと人の目について上に行けるかもしれないのに。と。だからこそ彼が個を出した時に私は本当に嬉しかった。彼が他人にとって良い人である人生ではなく自分にとっての良い人での人生をあるき始めたから。
彼は結局落ちてしまったが別の事務所でデビューする事になった。もう君は良い人になんてならないで。自分のためにもっともっと上がっていってね、