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つまらない男

TVerにて、あるトークバラエティ番組を観た。番組には有名な実業家も出演し、自己資金で宇宙旅行へ行ったことなどについて語られ、それはそれで話が面白かった。

ある女性タレントがこの実業家に金銭の借り入れを依頼する場面があった。勿論、本当に借金をする訳ではないだろうが、実業家からはそのタレントに使用目的を聞くと、海外での遊興費用であることが分かった。話が幾らだったら貸してくれるのか?というタレントの問いに対し、TVでそうした話をしてしまうと我も我もと借金の問い合わせが来てしまうので・・・と回答。

するとそれに対して『つまらない男!』と返したタレント。お笑い要素を含んだバラエティ番組とはいえ、その放送の中で自らの遊興費に幾らだったら出せるのか?といった質問を平気で言えるその人間性がよく理解できない。
仮にこの発言が放送作家によるセリフであったとしても、ちょっと違うんじゃないのかな?と私は思う。

そもそも実業家にとっては、何か事業に結びつくものであれば資金を融通することはあるだろうが、一個人の娯楽にそのような資金は出せない。彼女自身既婚者であれば、タレントである夫にせがめば良いだけのことだ。『つまらない男!』と切り捨てたが、視聴者からすれば『つまらない女!』と映ったかも知れない。少なくともそのような言葉よりも、『それじゃあ、詳しいことは楽屋で!』と笑顔で言った方が好感度が上がったように思える。発言ひとつで人間性が見えてしまうので、タレントであれば其処を考えてみてはどうだろうか。

番組では話の流れで、MCの大物タレントが実業家に『俺に貸してくれる』と聞くと、『貸します!』と即答した。使用使途も聞かずに貸すと言った理由は、『その大物タレントに貸したということが伝説となるから』と回答。
つまり先の女性タレントには、金銭を貸す価値がないと判断したというのが真意だろう。如何にも実業家らしい対応であったと私は思う。

更に話は進み、宇宙旅行の件に触れた。マル秘扱いであったのだが、宇宙旅行への費用が一人50億円だったという。同行者の費用は実業家が負担したものの、50億円という大金を宇宙旅行ではなく現金で貰いたかったという本音もあるだろう。しかし私だったら宇宙旅行を選ぶ。仮に50億円という現金を持っていても、宇宙旅行のためには使わないだろうから。異次元の体験をさせていただいた方が現金50億円の価値よりも遥に人生にとって有益に思うからである。宇宙旅行を体験すれば、本を書いたり、講演をしたりと仕事のオファーが来るかも知れない。その報酬は50億円に達しないだろうが、多くの人に感動を与えることが出来れば、人生で使い切れない50億円を貰うよりも豊かに思うことだろう。


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