マレーシアの「強化された活動制限令(EMCO)」について対象地区から語ってみる
マレーシアは宗教行事後に感染が増え、6月からロックダウンしていますが、7月3日からはさらに、「強化された活動制限令(EMCO)」が始まりました。
どんな規制かというと、こんな感じです。
・出入りする道は封鎖され、対象地域への立ち入りは警察が統制する。
・地域内の住民は、原則として自宅からの外出が認められない。
例外:世帯代表者1名のみ、EMCO対象地域内において自宅から半径10キロメートル以内での食料及び基礎的必需品の購入のための外出が可能。
・対象地域の住民に対し、対象を絞ったスクリーニングが行われる。
・対象地域においてワクチン接種計画を強化する。
・タクシーとe-hailingは運転手を含めて2名のみが乗車可能。
・午後8時以降の居住地区からの不要な外出は、緊急又は警察の許可を得た場合を除き禁止。
在マレーシア日本国大使館より。一部割愛
つまり、外出は食料品以外禁止、です。違反したら逮捕です。
今回話題になっているのは「場所」が広いから
このEMCOは、今までも、ときどき、街ごとに行われています。
今回が今までと違うのは、クランバレーと呼ばれる、クアラルンプール首都圏が多く含まれてる広範囲にわたるからなんです。
クアラルンプール首都圏だと、セランゴールでは34の行政区、クアラルンプールでは14の地域になります。
ものすごく細かく、私たち居住者にも理解するのが難しいほどです。
この地図がわかりやすいです。
「EMCO」と書いたところが制限地域です。(KLは細かいので除外されてます)で、この制限地域には、中間層が多く住む、いわゆる住宅街が多く含まれています。
EMCO地区の中は、どんな感じ?
では、実際にEMCO中に生活している私が、どんな感じが語ってみます。これまでEMCOっていうと、こんなイメージでした。
家の周りが金網でグルグル巻かれて、軍隊がでてきて……って感じ。
しかし、実際にそれが見えるかは、地区そのものの大きさによりますので、報道されてるほどの威圧感はありません。
実は我が家のある地区は数キロに渡るEMCOで、金網も軍隊も目に入りませんから、あんまり実感がありません。元々近所のスーパーでしか買い物してないので、生活はほぼ変わらないです。
ただし、小さな地域のEMCOで、地域内に食料品店がなかったりすると、買いだめしないとならず、大変かもしれません。
困窮した人に向けてのフードバンク活動が始まっています
マレーシアでは、6月から先が見えないロックダウンが続いているため、政府の支援が足りず困窮してしまう人も増えています。
そんな中、しばらく前から、「白旗運動(Bendera Putih)」がトレンドになっています。コロナ禍で困窮した人は、自宅の前に白旗をあげ、それをみんなで助けようという自発的な運動です。
長塚さんが詳しく書いています。
ただ、恥ずかしがってあげられない人もいます。
「Jangan Malu」は恥ずかしがらないで、って意味です。
自発的にフードバンクが始まりました。
食べ物が余った人が、そうでない人を助けるための運動です。
地域に食べ物を寄付しておき、必要な人が持っていけるようにシェアするんです。
これはKLのTTDIのシェル石油にあるフードバンク。
これはカジャンにあるフードバンク。
リストにもなってます。ローカルスーパーなどの企業も参加したそうです。
食べ物を買って寄付するシーンは、実はマレーシアにいるとけっこうあったりしますから、国民の側も慣れてるのではないでしょうか。
日本でも、炊き出しが増えているそうなので、世界的な現象かもしれません。
とはいえ、生活が変わらない人も多いです
とは言え、私の地域だと、外出禁止なので、フードバンクを見にいくわけにも行きません。
友人にはPJ、シャー・アラム地域に住む中間層の方が多く、みなさんEMCOですが、「以前と大して変わらないです」って淡々とした人が多いです。
私もパンデミックになってから、買い物もよく「HappyFresh」というアプリを使っています。EMCO中でも、地域内にあるスーパーやレストランから配達も、デリバリーできますから、生活圏が余程狭くない限りは、以前と同じ生活をしている人が多数では?
また、最近、ジムの先生がオンライン・クラスを始め、仲間と一緒に週に3回参加しています。中には毎日やっている人もいます。仲間たちと運動するのはなかなか楽しいです。
この規制、7月16日までの予定です。その後どうなるかは、まだよくわかっていませんが、感染者が減らない限り、しばらく続くでしょう。
以上、EMCO中のマレーシアからお届けしました。
それではまた。
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