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なぜ日本の共同体は、「縛り合い」になってしまうのだろう

地方になぜ人が住みたがらないか。
話題の「池田暮らしの七か条」が話題になっていました。

 移住・定住政策に力を入れている福井県池田町で、区長会の提言として移住者の心得を説いた「池田暮らしの七か条」が広報誌に掲載され、町民の間に波紋が広がっている。「都会風を吹かさないよう心掛けて」「品定めがなされていることを自覚して」などの文言が並び、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)には「高圧的」「移住の選択肢から外されてしまう」と反発する声が寄せられた。

Twitterでのコメントなどを読んでいると、「うちの地方もこれだった」「これが嫌で田舎を出た」の声が多く、本音なのだろうなと思いました。

これだといくらお金を配って人を呼び込んでも、定着する人は少数かも。なぜなら、都会が嫌で出ていく人は共同体の縛りを求めている訳ではないだろうから。

地方移住だけではない、共同体に見られる考え方

けれども、実はこの考え方、程度の差はあれど、日本の多くの共同体で共通しているな、と思います。

都会でも、外国人はお断り、と言う人がいます。
「あそこにはベトナム人が住んでいるから注意しないと」「あの人は在日だから」とかいう人。西洋人だと態度が変わりますが……。

転校生や、中途入社の人に対する態度で「あいつは中途だから(プロパーじゃない)」「我が社カラーにもう少し染まってもらわないと」みたいな言い方する人、たまにいます。

私が愛する下町でも場所によっては、「3代住まないと江戸っ子とは言えない」とかいう人、いたようです(会ったことはないけど)。

家庭も同じです。昭和初期の本などを読むと、「嫁」として嫁いだ女性がこき使われて、いじめ抜かれた話が溢れています。「嫁」は「よそ者だから」「この家のしきたりを覚えてもらわなければ」「一生仕えてもらう」となるわけです。

「嫁」だけじゃない。大人になった人と話すと、長男と次男が差別されたり、家の中に小さな「いじめ」がある環境が多すぎて驚きます。

最小コミュニティの家庭が楽しい場所になっていない人が、多すぎる。

そして子どもに厳しいのも同じ理由があると思う。
子どもは新参者だから。

それにしても、あらゆる共同体がよそ者に厳しいのはなぜなんだろう。

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