生徒総会とは何か?
生徒会とは、「生徒の会」です。分かりやすく説明するために、まず「学級会」の話から始めます。学級会は、「学級の会」です。みなさんはクラスの中で全員平等の権利をもち、何かを決めるとき、みんなで話し合って決めます。話し合いの中で、疑問があれば質問し、互いが納得できるまで議論します。そして最終的には一人一票の投票で決めることが多いと思います。もちろんその際は少数意見を尊重しなければなりません。
上手に話し合いができるかどうかは別として、よい話し合いができるよう努力をすることが必要です。「面倒だから」とか「恥ずかしいから」などという理由で話し合いに参加しないことはルール違反です。うまく発言できないのは構いませんが、無関心はダメです。
なぜこんなことをするのでしょうか?
それは学校が、民主主義を学ぶ場だからです。戦前の学校では、子どもが自分の考えをもつ必要はありませんでした。いや、自分の考えをもつことは許されませんでした。親や教師、政府に従順であることが求められ、多くの人が戦争の犠牲になりました。
その反省から戦後の学校では「自分たちのことを、自分たちで考え、話し合い、決める」ための力をつける教育が求められました。クラスのことを決めるのが学級会で、学校の生徒全員のことを決めるのが生徒会です。
「生徒会」というと本部役員を思い浮かべるかもしれませんが、生徒全員が生徒会の会員です。でも、いつも全員が集まって話し合うことはできないので、選挙によって本部役員を選んで、代わりに話し合いをしてもらいます。そして、本部で話し合った方針などを生徒総会で報告し、会員から承認を受けると、それが決定事項となります。
こういった生徒会活動の経験を通して、生徒たちは民主主義を学びます。話し合って、自分たちのことを自分たちで決める経験を積むこと自体が目的です。なぜでしょう?
日本には、「自分たちで考えず、話し合わず、決めない」人間をたくさん育ててしまったことで戦争に突き進んだ苦い歴史があります。だから、「自分たちで考え、話し合い、決める」人間を育て、もう二度と戦争しない国を作ろうとしたのです。
「そんな大げさな!?」と思った人もいるかもしれません。しかし、「学級会や生徒会を充実させよう」という方針は、戦後すぐに始まったものです。当時の人たちが、「戦争だけはもういやだ」という思いで作ってくれたのが、今の教育の原型なのです。
「無関心はルール違反」なのです。
生徒会は、「みんなが仲良くなれるように」、そして生徒会活動を通して「民主主義を学び平和な国を作るために」存在しているということです。
民主主義とは簡単に言えば、「みんなで話し合って、みんなで決める」ことです。誰かが勝手に決めて、自分の価値観を無理やり押し付けることを独裁といいます。もしも独裁者が、自分と意見の違う人を逮捕したり、自分に従わない国を攻撃したら私たちは平和に暮らせませんよね。民主主義は独裁を許しません。だから、一人一人が民主主義を学ぶことは、最終的には平和な国を作ることにつながっていくのです。
生徒総会は生徒全員が集まって開かれる会議です。一人一票の投票権をもち、生徒に関わることについて決める最高議決機関です。国で例えるなら、国会議事堂に国民全員が集まって会議するようなものです。
生徒会の活動についての報告や、みんなから集めている生徒会費の使われ方について報告されます。お金は払っているけれど、どんな風に使われているのか分からないのでは困りますよね。生徒総会は、民主主義を学ぶためのとても重要な活動です。
生徒総会にはどのような意味があるのか、知っておいてほしいと思います。
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