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『気の緩み』を指摘されちゃいました。

『気の緩み』を指摘されちゃいました。

 西村康稔経済再生担当相は「あちこちで気の緩みが見られ、大変心配している」と引き続き自粛を求めた。「ここで気が緩むと新規感染者が増え、解除できなくなる」と懸念し、39県についても感染防止策の徹底を求めた。(5月16日毎日新聞) 

 2018年7月5日、西日本豪雨で11万人に避難指示が出た夜、赤坂自民亭という自民党の飲み会が開催されました。多くの人が豪雨に飲み込まれる中、呑気な投稿をして話題になったのが西村大臣(当時官房副長官)でしたね。
 そんな人に『気の緩み』を指摘されてもなぁ、と思っちゃいます。更に言えば、翌6日の午前中はオウム死刑囚の死刑が執行されました。テレビはエンタメのように執行状況を報道してましたね。
https://www.asahi.com/articles/ASL7C55XJL7CUTFK00N.html

 「お前が言うな」と言いたいワケでありません(いや、言いたいのか…)。気を緩めてはいけないのは同感です。ただ、今まで政府は「自粛要請はするけど補償はしない」という日本独自のユニークなやり方で、国民が相互に監視し合う状態を作り出し、感染拡大を抑えてきました。
 そして今、見切り発車で緊急事態宣言を解除して、
「自粛せよ、気を緩めるな、補償はしない」というのです。
そうじゃなくて、
「自粛する、気は緩めないから補償しろ」って話です。

京都精華大学のウスビ・サコ学長が面白い考察をしています。

 (感染対策に)成功するためには、死者の数だけでなく、国としての未来への希望が失われていないことが重要です。台湾では政権を構成しているのが政治家というより専門家集団であり、現場のことをわかっています。また、北欧諸国は、国民の国に対する信頼が厚い。休業問題では、日本は補償が期待できず休業しないケースが問題になりましたが、北欧やドイツは、要請に応じれば必ず国から補償されると国民はわかっており、国との協力関係ができています。興味深いのは、日本人は政治にそれほど関心がないのに政府に依存し、国からの発言を待っていることです。 (AERA dot.)https://dot.asahi.com/dot/2020051100004.html

 海外の人から見ると不思議ですよね。多くの国民が政府に不満だらけなのに、選挙は行かず、デモもストもしない。愚痴は言うけど、上に「決めてほしい」と願い、意見を言えば同調圧力で押しつぶす。犠牲者が出ても、「命令してません。お願いしただけです」と、責任を取らない責任者。
 あゝ美しい国、日本。

 

ここのところ、支持率を上げているのがあの政党

 しかし、さすがに少しだけ支持率を落とした安倍政権。
 代わりに支持を伸ばしているのが日本維新の会。維新といえば、野党の位置にはいますが実質は与党と変わらず、「ゆ党」とも揶揄される政党です(支持している方がいたらすみません。でも事実です)。

 党の創設者はタレント弁護士の橋下徹氏。弁護士というと弱者の味方みたいなイメージかもしれませんが、彼はバリバリの新自由主義者で、「貧乏人は義務も果たさずに権利を主張するな」という考えの持ち主です。
 知事・市長時代は公務員を叩いて支持率を上げ、社会保障を削りました。そしてコロナで、公立病院や保健所を潰してきたツケが回ってきます。

 新自由主義は儲からない分野を徹底的に削るので、危機にとても弱いのです。そんな橋下氏の後継者のイケメン知事吉村洋文氏がテレビに出まくって支持率急上昇。弱者を社会から排除する政策を掲げる人たちを弱者が支持してしまう構図が「なんだかなぁ・・・」って感じです。

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