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『教職研修』12月号特別企画「先生は世間知らずへの挑戦 企業インターンレポート」拡大版ーインターン先に行ってきました!ー

こんにちは。はにわ情報局です。
はにわ情報局では、SNSでは伝えきれない情報を発信しています。

小社では、主に管理職の先生方を対象とした『教職研修』という雑誌を刊行しております。その12月号で、夏休みを利用して企業にインターンされた先生についての記事を掲載したのですが、そのインターン現場を取材した様子を、今回は発信します。

特集記事が掲載されている『教職研修』12月号はこちら。

インターンしたのは、練馬区の小学校に勤務されている二川佳祐先生。今回、10年次研修という制度を利用し、インターンされたそうです。取材当日は、インターン先の株式会社ボーダレス・ジャパン広報部の日野さんが同席してくださいました。まずは、二川先生のプロフィールとボーダレス・ジャパンについてご紹介します。

二川 佳祐(ふたかわけいすけ)
東京都練馬区立石神井台小学校主任教諭。「大人が学びを楽しめば子どもも学びを楽しむ」をモットーに、吉祥寺を拠点にBeYond Laboという学び場を運営。妻と娘をこよなく愛し「ファミリーファースト」を掲げる二児のパパ。毎朝3時に起きて朝活をしている。


ボーダレス・ジャパンとは?
「ソーシャルビジネスで世界を変える」ことを目指し、社会起業家が集うプラットフォームカンパニーとして2007年3月に創業。これまでに「差別偏見」「貧困」「環境問題」など世界13カ国で、37事業を展開してきた。事業はすべて、独立経営というかたちをとっており、余剰利益はグループ共通のお財布に入れている。そして、新たな事業を立ち上げる人がそのお金を利用し、黒字になったら余剰利益は共通のお財布に入れる〝恩送り〟という方法をとるなど、ユニークな経営を展開している。

先生インターンの企業側のメリット

広報部日野さん(以下、日野):もともと、受け入れる仕組みが弊社としてあったわけではないんです。今回のインターンでは、グループ8社から12名の社員が自分の事業についての説明など、話をさせていただいたのですが、話すことを通して、自社への理解をさらに深めたり、「自分たちがどのように教育に貢献できるのか」という視点を持つことができたのではないかと思います。普段、事業について企業の方に説明することはあるのですが、学校の先生に伝えるというのは、なかなかないので、いい機会をいただけました。

学校現場での当事者意識について

二川先生(以下、二川):社員のみなさんにとっては、息を吐くように当たり前なことなのかもしれないのですが、当事者意識がすごく高い集団だなと思いました。

日野:自分でこの社会問題を解決したい!という人が集まっているのが特徴でもあるので、当事者意識はみんなが当たり前に持っているように思います。

ーー学校現場での当事者意識について、二川先生はどう思われますか?

二川:あまり高いとは言えないかもしれません。それこそ、コロナ禍で何をするか?ということや、行事・働き方改革などについても、何を変えていくのか、何を犠牲にするのか、とか本当は僕らが考えなくてはいけないのですが、上からの指示を待つことが多かったりと、受け身になってしまい当事者意識のない状態になっている気がします。

ーー当事者意識を周りに持ってもらうためには、どうすればいいのでしょうか?

二川:昨日、社長の田口さんにもお聞きしたのですが、まずは、自分が変わることですね。田口さんは自分で伝えて、率先してやっていくことが大切だと言われていました。どの社員さんに聞いても「(社長は)自分で言ったことを、率先してやっている」と言っていて、そういうところから文化ができていくんだなと、思いました。

ーー日野さんは、当事者意識の持たせ方についてどう思われますか?

日野:弊社の考え方だと、二つあるかなと思います。一つ目は〝自走型であれ〟です。事業を進めるなかで、何か違和感を感じたことや、もっとこうしたらいいのでは?ということを、「じゃあどうすればいいか?」と自分で考え、行動を起こすという共通の姿勢があることは、当事者意識を持つうえで大きな役割を持っていると思います。
二つ目は、弊社の合い言葉の一つである、「SOMETHING NEW」という、もっと新しいことに、どんどんチャレンジしよう!という考え方です。教育現場だと、なかなかむずかしいところでもあるかもしれません。教育委員会ですとか、学校ではコントロールできない部分もあると思うので、そこは企業との環境の違いもあると思います。
また、どんどんトライして、どんどん変えていこう。でも、失敗してもナイストライ!という考え方をグループの経営者たちが共通して持っているため、チャレンジがしやすい環境ができていると思います。


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仕事中の様子。今回のインターンはほとんどオンラインでのやりとりだったそうで、実際にこの窓際で仕事をされていたそうです。

学校現場にも取り入れたいこと

二川:学校では、横の助け合いや、お互いのサポートができないなと感じることがあります。ボーダレス・ジャパンには4人の社長でMM(マンスリーマネジメントミーティング)という、一ヶ月に一度集まり、お互いの進捗や経営課題を共有し、アドバイスを送り合う会議があります。そういう制度が学校にもあったらいいなと思いました。職員室では学年ごとに座っているので、どうしてもほかの学年の先生方とはかかわりが薄くなってしまうんですよね。

日野:ちなみに、学校全体で掲げている「ここを目指そう」という目標って、あるんですか?

二川:数十年変わっていないと思われる学校目標というのはあるのですが、なかなか浸透していない部分もあるかもしれません。

日野:たとえば、弊社だったらグループ会社がいくつもあるなかで、「ソーシャルビジネスで社会を変えるんだ」という共通の上位目標をみんなが持っています。その目標のもとに、それぞれの解決したい社会問題や目指している社会像というのがあります。目的を共有しているメンバーなので、どこかの事業が困っていたら、助け合おうという気持ちになります。
学校でも、こういう学校を目指そうとか、こういう子どもを育てようとか、先生たちが強く共感するものがお互いにつながれば、学年だけでない横でのつながりや、当事者意識にもつながってくるのではと思いました。

さいごに。

インタビューの最後に、二川先生は公立に自分が居続ける理由は、自分や一緒にがんばっている先生方が起点となり公立全体を変えていきたいからとおっしゃっていました。学校で奮闘し、前に進み続けている先生方をサポートするべく『教職研修』も走り続けていきたいと改めて強く思いました。

二川先生、日野さん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!


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