カウントダウン[霊子さんの心霊体験]
昔から霊が見えるという霊子さん(仮名)の心霊体験のお話です。
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小学4年の時、バス遠足があった。ボランティアで説明係のおばさんが同行していた。
私はマイクロバスの左側一番前の席に座った。生徒の数は少ないので、各自、横の席はリュックを置いたりして
ゆったり座っていた。
短いトンネルに差し掛かった。中に入るといきなりフロントガラスに上からでかい手がばちっと張り付いた。
フロントガラスいっぱいになるほどの指を大きく広げた、大きなパーをした手だった。
異常な大きさだったので、霊的なものだということはすぐに分かった。怖かった。
遠足の目的地の広い公園に着いた。奥は防空壕で、2m位の高いフェンスが張られていた。ぜったいに行ってはいけないと説明係のおばさんに言われた。
その周りの木が風もないのに揺れていた。不気味だった。
するとフェンスに上からまた大きな手が張り付いた。手のひらをこちらに見せて指を4本伸ばした手だった。
集合時間になり、バスに乗る前にトイレを済ましておくよう呼びかけられた。みんなとトイレに並んだ。
その公衆トイレの個室は2個の和式と1個の洋式に分かれていた。
みんなは洋式に並んでいたので、私は和式に入った。おしっこしてたら、下から3本の指を伸ばした手がぬっとあらわれた。
指が5本、4本、3本。そう、私はカウントダウンに気づいた。
驚いたので友達に顔色悪いと言われたが、何でもないと言ってバスに乗り込んだ。
バスの中で点呼があった。周りの友達どおし、いない人がないか確認して出発した。
帰りのトンネルでは、また何か出るのではないかと前を注目していた。
すると運転手の首から横に手が現れ、2本の指を伸ばしていた。
カウントダウンが続いていたので「事故るんか?」と怖くなった。
天気は良いけど、焦る。
次に「1」を見たら何かが起こる。そう思った私は見ないように下を向いていた。
バスは到着し、みんなは解散したけど私は下を向いたまま帰っていた。
友達にも「どうしたの、大丈夫?」と言われた。
家に帰り着いて、庭に入ったところ、玄関への石段の横の根っこが手の形になっていて、1本の指が伸びている手に見えた。
おじいさんが五右衛門風呂を沸かしてくれていた。お風呂に入りなさいと言われ、姉と入った。
お風呂の中で手ぬぐいで空気を包むような手ぬぐい遊びをしていたら、ぷくっと膨れた手ぬぐいが「0」に見えた。
怖くて「おじいー」と叫んだら、地域のサイレンが鳴りだした。私は泣き出した。
地域の放送で、マイクロバスに落石があったと放送していた。
私が座っていた左前の席に大きな岩が落ちてきたそうだ。
私が座っているときに落ちてきていたら私は死んでいたかもしれないと思った。
夜寝てたら体がざわざわしてきて金縛りになった。動けなくて仰向けのまま目を開けると真っ白なこわい顔が目の前に現れた。吊り上がった目、ぱっつんとそろった前髪、まろのような眉毛。
私を上から覗き込んでいた。
そして、「なんで死んでくれなかったの」と言われた。
私がカウントダウンに気づき、下を向いて「1」を見なかったので、死なずに済んだのだと思った。
玄関の横には やぎ小屋が有るのだが、いつも帰ってきたときは、小屋の中のやぎとひとしきり遊ぶのが常だった。
でも、遠足から帰ったときは、遊ばなかった。
夢のような画像が現れ、やぎがロープでぐるぐる巻きになっていたからだ。
私の母も霊的なものが見えるのだが、その時もおかあさんが「なんしようと」と言ってやぎ小屋に入ってきた。
白いものが入っていくのが見えたそうだ。
私は以前から、悪い幽霊を見るときは、周りの空間がゆがむ。
その時も部屋がゆがんで見えた。
母の話では、とうせんぼさん、という霊がいるらしい。
東に千に母と書いて、東千母(とうせんぼ)さんと言うそうだ。
昔から伝わる妖怪で、子供が嫌いで、自分に気づいた子供を殺すそうだ。
母親から、殺された子供が大人になったような妖怪だ、と聞いた。
狙われたらしつこいらしく、その夜は、親と一緒に寝た。
その東千母さんの仕業ではないかと疑われる出来事もあった。
同じ学校の小6男子が、交通事故で本土の病院へ搬送されたのだが、「白い女が夢に出る。霊が見える。」と言っていた。
その後、私が引っ越す直前に会って話したのだが、交通事故後の本土の病院で、目や前髪や眉毛が同じで、とうせんぼの話を聞いたそうだ。
やっぱり居るんだと思った。
この投稿は、200話以上アップしてあるブログ「霊子の日記」からの抜粋です。
YouTubeにも「霊子さんの心霊体験」として投稿しています。
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