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バス通勤の主任さん[霊子さんの心霊体験]

昔から霊が見えるという霊子さん(仮名)の心霊体験のお話です。
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学生の頃、看護師だった母は、引っ越した先で、近くのC病院に勤めていた。
その頃は、病院の前までバスが入って来ていた。
あるとき「死んだ主任さんが乗って来るので、バスが入ってこなくなったので、坂道を歩いて登らないといけない。患者さんも大変だよね。」と言う。
「主任さんが乗って来るって、なに?」と聞くと、バス通勤だった主任の看護師さんが、帰り道で強盗にあい、亡くなったそうだ。
母もお葬式に行ったのだが、若くて悲しい事件で亡くなったので、それは多くの人が参列して、大人数だったそうだ。仕事熱心だったその主任さんは、お通夜の日も、葬式の日も、そのバスに乗って仕事場に来ていたそうだ。
亡くなったことを知らないバスの運転手さんは、主任が降りるときいつものように挨拶するのだが、その日以降、無言で元気のない顔をしているので疲れているのかなと気になっていたそうだ。看護師さんは夜勤もあるのに、主任が何日も休みなく朝、バスで通勤しているのが気になった運転手さんが、おかしいんじゃないかと思い、患者さんに「主任さんは休みも無く毎日通勤しているけど元気が無くて大丈夫なんですかね。」と聞いたそうだ。
すると、「あの主任さんは、一ヵ月前に亡くなりましたよ。」と言われて、運転手さんはものすごく怖くなったそうだ。なので、C病院へは行けない、ということになり、バスは病院入り口までしか行かなくなったそうだ。
そのあとしばらくして、体調が悪くなった母から電話で、迎えに来て欲しいと言われた。車で行かずに、父に送ってもらったそうだ。なので、バス停まで歩くのも大変だし、早く帰りたいという。
私が、「バイクだよ。」と言うと、「バイクの後ろでもいいから、早く帰りたい。」と言う。
そこで初めて、バスが入り口までしか行かなくなったことを聞き、先ほどの話を聞いたのだった。

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YouTubeにも「霊子さんの心霊体験」として投稿しています。


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